人生の不公平を嘆かず「黙って登れ」 vol.442

 

精一杯重い荷物を背負って、

下りのエスカレーターの階段を

一段一段登るような、

そんな努力をした男です。

  小林照幸「土俵の真実」

 

◇ その「男」とは 大相撲の元大関、

     初代貴ノ花である。

 

細身ながら内側にバネを蔵したような

均整のとれた身体と、端正なマスクで

「角界のプリンス」と呼ばれた。

 

背負った「重い荷物」とは、

 

恵まれたとは言えない小柄な身体であり、

 

名横綱・初代若乃花を実兄にもった重圧であり、

 

大相撲の人気を一身で支える責任の重さであり、

 

病気とけがの数々であった。

 

千代の富士(現・九重親方)のように、

平幕力士が1年後には横綱になった

例もあるが、貴ノ花は横綱になれなかった。
                         (2005年5月30日死亡)

 

◇ 大相撲の横綱稀勢の里(32)が

    初場所4日目の16日、

   現役を引退することを決めた。

 

昨年9月の秋場所千秋楽から続く

連敗が8に伸び、

横綱のワースト記録を更新していた。

 

稀勢の里は茨城県牛久市出身。

 

15歳で角界入りしたたたき上げで、

馬力を生かした突き押しで

スピード出世して、

 

貴花田(のちの横綱貴乃花)に次ぐ

昭和以降2番目の若さで新十両(17歳9カ月)、

 

新入幕(18歳3カ月)を果たすなど、

早くから将来を嘱望された。

 

◇ 世の中には、 

    高速エレベーターの乗客がいて、

 

   すぐ隣の下りのエスカレーターを

   必死に登る人がいる。

 

相撲に限らず、どの分野でも 

人生は不公平にできているもの。

 

会社が悪い、いい上司に恵まない、

仕事が忙しい、給与が安い 等

 

自らの宿命を嘆いても

実るものは何もない。

 

「つべこべ言わずに黙って登れ」と、

 

天国からその人の声がする。

 

いや、もうそういう時代でもないか。

 

<今日の名言>

人生は10段変速の自転車のようなもの。

自分がもっているものの大半は使ってない。

                        チャールズ・シュルッツ

 

*自分が持っている可能性を
   信じられる人だけがそのピンチを
  くぐり抜けることができる。
  さあ、使ってないギアに
  勇気を出して入れてみましょう。 

 

今日一日の人生を大切に!

 

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