若者の「刹那主義」はどこから来るのか    vol.62

◇ 数年前、若者の「スピード退職」が

   話題になったことがありました。

 

   しかし依然としてその傾向は

    今なお あるようです。

 

   トンビの勤めている会社も、新入社員が

   短期間に大量にやめた時期がありました。

 

◇ その背景には、雇用する企業側が、

   すぐに辞めてしまうことを前提として

   大量に採用しているから、という事情も

  あると思われますが、それだけではないでしょう。

 

   より根本的には、若者の側に

 「努力すれば報われる」というマインドが

  ないことに原因があるように思われます。

 

◇ トンビの時代の若者たちは

「今のつらさに耐えれば、会社や社会が

        自分の将来を良いものにしてくれる」

   と信じられていたことが、

   大きいのではないかと思います。

 

   日本が右肩上がりの経済成長を

   続けていた時代には、社会全体が

  それを実現させていました。

 

   物質的には10年前より今の方が、

   確実に豊かになっている。

 

   1 0年後はもっと豊かになっているだろう、

   と信じられる世の中がずっと続きました。

 

   ◇ しかし、バブル崩壊後の「失われた20年」

        の中で人格形成期を迎えた今時の

       若者たちは、そういう期待を持っていません。

 

     「社会の恩恵を享受したことがない世代」

       と言ってもいいかもしれません。

 

  そのような価値観をすり込まれている若者たちが、

 

  「今のつらさに耐えたところで、

                   将来報われるとは限らない」

 

    「会社や社会には期待しない」

 

   「年金はもらえないかもしれない」

 

  と考えるのは当然のことだと思います。

 

   彼らが持っているのは

     「不確かな将来よりも今の充実」

   というマインドです。

 

◇  将来のことを考えず、

   今の充実ばかりを求めようとする生き方を

  「刹那主義」 と言います。

 

「刹那主義」の本来の意味は、

「過去や未来に囚われず現在を生きる」

  という意味ですが、

   それがいつの間にか拡大解釈されて、

「過去や未来は考えない、今さえ良ければいい」

  という意味に変わってきているようです。

 

  いつの時代にも、若者は刹那主義的

  なものだと思いますが、

   今時の若者は、特にその傾向が

   強いのではないでしょうか。

 

   そしてそれは、若者だけの問題ではなく

  トンビも含めた社会全体の問題でもあるのです。

 

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