◇ 数年前、若者の「スピード退職」が
話題になったことがありました。
しかし依然としてその傾向は
今なお あるようです。
トンビの勤めている会社も、新入社員が
短期間に大量にやめた時期がありました。
◇ その背景には、雇用する企業側が、
すぐに辞めてしまうことを前提として
大量に採用しているから、という事情も
あると思われますが、それだけではないでしょう。
より根本的には、若者の側に
「努力すれば報われる」というマインドが
ないことに原因があるように思われます。
◇ トンビの時代の若者たちは
「今のつらさに耐えれば、会社や社会が
自分の将来を良いものにしてくれる」
と信じられていたことが、
大きいのではないかと思います。
日本が右肩上がりの経済成長を
続けていた時代には、社会全体が
それを実現させていました。
物質的には10年前より今の方が、
確実に豊かになっている。
1 0年後はもっと豊かになっているだろう、
と信じられる世の中がずっと続きました。
◇ しかし、バブル崩壊後の「失われた20年」
の中で人格形成期を迎えた今時の
若者たちは、そういう期待を持っていません。
「社会の恩恵を享受したことがない世代」
と言ってもいいかもしれません。
そのような価値観をすり込まれている若者たちが、
「今のつらさに耐えたところで、
将来報われるとは限らない」
「会社や社会には期待しない」
「年金はもらえないかもしれない」
と考えるのは当然のことだと思います。
彼らが持っているのは
「不確かな将来よりも今の充実」
というマインドです。
◇ 将来のことを考えず、
今の充実ばかりを求めようとする生き方を
「刹那主義」 と言います。
「刹那主義」の本来の意味は、
「過去や未来に囚われず現在を生きる」
という意味ですが、
それがいつの間にか拡大解釈されて、
「過去や未来は考えない、今さえ良ければいい」
という意味に変わってきているようです。
いつの時代にも、若者は刹那主義的
なものだと思いますが、
今時の若者は、特にその傾向が
強いのではないでしょうか。
そしてそれは、若者だけの問題ではなく
トンビも含めた社会全体の問題でもあるのです。
*今日一日の人生を大切に!
コメントを残す