◇ フィンランドのMaaSグローバルが
展開するMaaSアプリ 「Whim(ウィム)」
クルマを定額乗り放題のような
パッケージプランとして提供すればいいという
アイデアがフィンランドで生まれ、
MaaSというコンセプトに
まとめあげられたのが14年のことである。
その翌年には、生みの親となった
フィンランド人がMaaSを事業化するための
ベンチャーMaaSフィンランドを立ち上げ、
16年にはヘルシンキでMaaSアプリの
「Whim(ウィム)」(気まぐれの意)を
リリースして、実際にサービスを開始した。
Whimには色々な料金プランがあるが、
最上位のプランでは
月額 499 ユーロ(約6万4000円)で、
1回5km以内までのタクシーも含めて、
市内の交通手段が乗り放題になる。
499ユーロを高いと思うか
安いと思うかはそれぞれだろうが、
マイカーを保有すればローンと
維持費で最低でも 月額4万~5万円
にはなるから、
公共交通の乗り放題が付いて
6万円強なら決して高くはない。
マイカーは便利なようで、
目的地で駐車場を探すなど
何かと手間がかかるが、
Whimならばそんなストレスからは
解放される。
それこそ、その日の気分と場所に応じて
気まぐれに移動手段を選べる自由は、
マイカーにはないものだ。
◇ MaaSグローバルの資料によると、
サービス開始後、Whimユーザーの
マイカー利用率は半減している。
(40%→20%)
Whimの登録者は
18年10月現在で6万人だから、
マイカー利用が40%(2万4000台)
だったものが半減すると、
単純計算すれば実に1万2000台の
マイカーが路上から“消えた”ことになる。
◇ 一方、導入前は50%に満たなかった
公共交通の利用率が74%に増加しており、
タクシーとレンタカーの利用も
増えている。
それが、ヘルシンキの経済や社会に
どれだけのインパクトをもたらしているのか
までは分からない。
しかし、マイカーが減れば、
その分、渋滞や事故は減るだろうし、
大気汚染やCO2排出量も減る。
クルマに占拠されていた道路は
人のための空間になり、
子供は路地で遊べるようになるだろう。
マイカーが減ることは
都市にとっても人にとっても、
メリットこそあれデメリットは少ない。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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