バブルの歴史は必ず繰り返す vol.371

 

◇ 日経平均が、26年ぶりに

     2万4千円を超えてきた。

 

    金融政策の現状維持決定で、

     先高期待が強まった結果だろうが、

    日銀が発表した「短観」は芳しくない。

 

トンビは今の状況をかなり悲観的に見ている。

 

◇ 世界のバブルの歴史は長い。

 

 過去40年間に、

① 1980年代の日本の不動産バブル

② 1990年代のIT(情報技術)バブル

③ 2000年代の米国住宅バブル

 

おおむね3度のバブルの発生と

崩壊を我々は経験した。

 

つまり、

およそ  10年に1度、バブルが発生し、

崩壊したことになる。

 

08年のリーマン・ショックから、

今年の9月で10年が経過した。

 

09年から始まった世界の景気拡大は

既に9年超に達している。

 

先進国のインフレ率と政策金利は

歴史的に著しく低い水準にある。

 

株価は09年の高値から今年の高値まで、

米国株(S&P500種株価指数)が4.2倍、

日本株(日経平均株価)が3.4倍になっている。

 

これらは過去のバブルと比較しても

かなり長期で、かつ上昇率が高い。

 

そう、  もうそろそろ

ヤツは来る。

 

バブル崩壊の波が到来する。

 

◇ 歴史は繰り返すといわれる。

 

そうであれば、

我々が気がつかないだけであって、

すでにバブルはいま真っ只中であり、

 

そしてそう遠くない将来、

いや近々バブル崩壊がやって来る。

 

トルコなど新興国通貨の下落、

世界的な金利上昇、

米中貿易摩擦などリスク要因は数多い。

 

◇ トンビの経験からも、株価のピーク時に

    相場の転換点を認識することは困難だ。

 

バブル相場の転換点の前後では、

強い過熱感はあったものの、

これといった大事件があったわけではなかった。

 

突如として、相場が転換し、

気が付いたときには長期下落相場に突入していた。

 

◇ 例えば、リーマン・ショックは

     08年9月だったが、

    日経平均の直前の高値は07年7月だった。

 

つまり、リーマン・ショックの予兆は

その前年にあったのである。

 

バブルを認識できた人は

リーマン・ショック前に空売りして

大もうけできただろうか、

そんな人はほとんどいない。

 

専門家であっても、

バブル発生を認識するのは大変難しい。

 

18年以上も米連邦準備理事会(FRB)の

議長の座にあったアラン・グリーンスパン氏は、

 

「マエストロ(巨匠)」と称され、

その卓越した政策運営の手腕が高く評価された。

 

ところが、在任中に

ITバブルと米国住宅バブルが発生した。

 

彼は1996年の講演で、

米国株式の上昇に対し、

 

「根拠なき熱狂が資産価格を

     不当につり上げている」

 

とリスクを指摘した。

 

しかし、ITバブル発生を防ぐことはできなかった。

 

◇ ITバブル崩壊後の2002年に

     グリーンスパン氏は、

 

「バブルは崩壊して、

   初めてバブルと分かる」

 

という名言を残した。

 

その言葉通り、

米国住宅バブル発生が認識できなかった。

 

リーマン・ショック発生直後の

議会証言で彼は、

 

「これほどまでの大きな危機になるとは

とても想像できなかった」と述べている。

 

◇ バブルは姿を変えてやって来る。

 

     歴史的に、一つとして

    同じパターンのバブルはない。

 

このため、バブルがやって来たとは

すぐに気がつかない。

 

日本の不動産、IT、米国の住宅と、

過去3回のバブルの主役はすべて異なる。

 

このように毎回のパターンが大きく異なるため、

歴史の教訓を生かすのは容易でない。

 

◇ 過去3回のバブル崩壊後の

   日経平均の下落率は毎回 60%を超えた。

 

今回の相場がいったん崩れれば、

株価が半値以下になる可能性を示唆する。

 

つまり日経平均が1万円を

下回る水準になるということだ。

  

だからなおさら、

今回は少しの変化も見逃すことはできない。

 

次のバブル崩壊の主役は

 

制裁関税による貿易摩擦か、

新興国の通貨危機、

それとも仮想通貨が引き金を引くのか、

 

そこはトンビにもわからないが、

 

そろそろ準備をしていた方が良さそうだ。

 

歴史は必ず繰り返す。

 

今日一日の人生を大切に!

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