◇ 日経平均が、26年ぶりに
2万4千円を超えてきた。
金融政策の現状維持決定で、
先高期待が強まった結果だろうが、
日銀が発表した「短観」は芳しくない。
トンビは今の状況をかなり悲観的に見ている。
◇ 世界のバブルの歴史は長い。
過去40年間に、
① 1980年代の日本の不動産バブル
② 1990年代のIT(情報技術)バブル
③ 2000年代の米国住宅バブル
おおむね3度のバブルの発生と
崩壊を我々は経験した。
つまり、
およそ 10年に1度、バブルが発生し、
崩壊したことになる。
08年のリーマン・ショックから、
今年の9月で10年が経過した。
09年から始まった世界の景気拡大は
既に9年超に達している。
先進国のインフレ率と政策金利は
歴史的に著しく低い水準にある。
株価は09年の高値から今年の高値まで、
米国株(S&P500種株価指数)が4.2倍、
日本株(日経平均株価)が3.4倍になっている。
これらは過去のバブルと比較しても
かなり長期で、かつ上昇率が高い。
そう、 もうそろそろ
ヤツは来る。
バブル崩壊の波が到来する。
◇ 歴史は繰り返すといわれる。
そうであれば、
我々が気がつかないだけであって、
すでにバブルはいま真っ只中であり、
そしてそう遠くない将来、
いや近々バブル崩壊がやって来る。
トルコなど新興国通貨の下落、
世界的な金利上昇、
米中貿易摩擦などリスク要因は数多い。
◇ トンビの経験からも、株価のピーク時に
相場の転換点を認識することは困難だ。
バブル相場の転換点の前後では、
強い過熱感はあったものの、
これといった大事件があったわけではなかった。
突如として、相場が転換し、
気が付いたときには長期下落相場に突入していた。
◇ 例えば、リーマン・ショックは
08年9月だったが、
日経平均の直前の高値は07年7月だった。
つまり、リーマン・ショックの予兆は
その前年にあったのである。
バブルを認識できた人は
リーマン・ショック前に空売りして
大もうけできただろうか、
そんな人はほとんどいない。
専門家であっても、
バブル発生を認識するのは大変難しい。
18年以上も米連邦準備理事会(FRB)の
議長の座にあったアラン・グリーンスパン氏は、
「マエストロ(巨匠)」と称され、
その卓越した政策運営の手腕が高く評価された。
ところが、在任中に
ITバブルと米国住宅バブルが発生した。
彼は1996年の講演で、
米国株式の上昇に対し、
「根拠なき熱狂が資産価格を
不当につり上げている」
とリスクを指摘した。
しかし、ITバブル発生を防ぐことはできなかった。
◇ ITバブル崩壊後の2002年に
グリーンスパン氏は、
「バブルは崩壊して、
初めてバブルと分かる」
という名言を残した。
その言葉通り、
米国住宅バブル発生が認識できなかった。
リーマン・ショック発生直後の
議会証言で彼は、
「これほどまでの大きな危機になるとは
とても想像できなかった」と述べている。
◇ バブルは姿を変えてやって来る。
歴史的に、一つとして
同じパターンのバブルはない。
このため、バブルがやって来たとは
すぐに気がつかない。
日本の不動産、IT、米国の住宅と、
過去3回のバブルの主役はすべて異なる。
このように毎回のパターンが大きく異なるため、
歴史の教訓を生かすのは容易でない。
◇ 過去3回のバブル崩壊後の
日経平均の下落率は毎回 60%を超えた。
今回の相場がいったん崩れれば、
株価が半値以下になる可能性を示唆する。
つまり日経平均が1万円を
下回る水準になるということだ。
だからなおさら、
今回は少しの変化も見逃すことはできない。
次のバブル崩壊の主役は
制裁関税による貿易摩擦か、
新興国の通貨危機、
それとも仮想通貨が引き金を引くのか、
そこはトンビにもわからないが、
そろそろ準備をしていた方が良さそうだ。
歴史は必ず繰り返す。
今日一日の人生を大切に!
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