未来の大学のかたち「ミネルバ」①  vol.343

 

◇ 学校に 「校舎」 がない、

     教師は 「講義」 も 「テスト」 もしない、

      全寮制なのに、授業はすべてオンライン……。

 

今、こんな「ありえない大学」

ハーバード大学やスタンフォード大学よりも

人気を博している。

 

その大学、「ミネルバ」は、

果たしてどのようにして

世界中の才能ある生徒を

惹きつけているのだろうか? 

 

その仕組み、カリキュラム、

テクノロジーを初めて明らかにした

 

『世界のエリートが

    今一番入りたい大学ミネルバ』より、

 

その一部をご紹介する。

 

◇ 欧米の著名な建築家が設計した

    歴史ある講堂も、広大な敷地に点在する

     研究施設や運動施設もなく、

     著名な卒業生もいない。

 

学生寮は都市の中にある

普通の集合住宅を利用し、

授業はすべてがオンライン……。

 

聞くまでもなく、

そんな大学にあなたが行きたい、

もしくは自分の子どもを行かせたい

という可能性は低いだろう。

 

しかし、

サンフランシスコに拠点を置き、

「高等教育の再創造」を掲げた

教育事業会社である

ミネルバ・プロジェクト社が

 

「21世紀最初のエリート大学」

 

として設立したミネルバ大学は、

まさに、そんな一面を持つ大学だ。

 

そして、この資産がほぼゼロの大学には

世界中から2万人以上の受験者が集まる。

 

そして合格率がわずか 1.9% で、

 

ハーバード大学、スタンフォード大学、

ケンブリッジ大学などの名門大学の

合格を辞退して進学する学生がいることを

あなたはどう思うだろうか。

 

そして、さまざまな大学ランキングの

表には掲載されていないこの大学が

 

開校直後から、かつてはアイビーリーグの

学生ですらインターンを許されなかった

トップクラスの研究所で

 

大学1年生から社会人研究員と

一緒にプロジェクトを遂行したり、

 

1年生終了時のクリティカル思考力を

測定する外部テストで全米の大学の中で

圧倒的1位の成績を収めたりしている事実を、

どう解釈すればいいだろうか。

 

◇ ミネルバ大学は人々が長らく

     質問することすら忘れていた

    トップ・エリート大学の「学びの質」

「非効率な経営」を徹底的に考え直し、

 

高等教育をあるべき姿に戻す使命のための

ベンチマークとして設立された。

 

既存の大学が解決できずに苦しんでいる

 

「変化の速い社会で活躍するための実践的な知恵」

 

「複雑化した国際社会や異文化への適応力」

 

「高騰する学費と学生ローン」  に対して,

 

見事なまでに具体的な実例で

その解決法を提示している。

 

◇ たとえば、すべての授業を

    オンライン化したミネルバ大学は、

 

郊外に広大な土地を購入し、

豪華なキャンパスを新たに建設する必要がなく、

 

「都市をキャンパスにする」経営が可能だ。

 

滞在都市にある最新の研究施設や

芸術施設、図書館などを利用し、

企業との共同プロジェクトを実施できる。

 

この授業で学んだことを実社会で

すぐに実践し、習得していく経験学習は、

 

社会と隔絶された講堂の中で

教授による一方通行の講義を聞くよりも

はるかに学習効果が高いことが

証明されている。

 

◇ オンラインで授業を行うメリットは、

   まだある。

 

物理的なキャンパスが必要ないため、

学生が世界中を巡り、

異文化にどっぷりと浸ることを可能にした。

 

学生たちは4年間で7つの国際都市を巡回し、

 

滞在地で現地の企業、行政機関、

NPO等との協働プロジェクトや

インターンを経験しながら

現地の人たちと同じ生活を営む。

 

世界中から集まり、同じ寮に住む学生たちは

共同生活を通じて、

濃密なコミュニティを築いていく。

 

実社会と学校のシームレスなつながりを

グローバル規模で実現している。

 

また、教員は自分の滞在している研究施設から

授業を行うことができ、

 

その分移動コストと時間を

研究活動にあてることができる。

 

そして、豪華なキャンパスや

施設の建設に伴う負債を持たない

この大学の学費は年間  約 150万円

 

既存の米国トップ・エリート大学の

3分の1未満だ。

 

さらに、国籍、性別、人種、同窓生の

有無によって合格基準を変えず、

 

公平で返済不要の奨学金制度を

採用したことで、

 

世界中から2万人を超える学生が応募している。

 

合格率は1.9%と世界でも

最も難関な大学の1つであるが、

日本人学生も 3名 合格・進学している。

                                               つづく

 

 

 

今日一日の人生を大切に!

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