◇ アメリカを行動へと突き動かす
大きな枠組みとして、次の5つに区分
することができます。
①軍需産業(武器メーカー)
②金融資本(大銀行)
③草の根保守
④福音派(南部)
⑤移民労働者(東海岸、西海岸)
これらの枠組みが、アメリカの2大政党である
「共和党」と「民主党」の
どちらを支持するかによって、
アメリカの外交戦略や政策は
変わってくるのです。
時の政権は、これらの集団を
無視した政治はできない、
ということになります。
◇ 大雑把に言えば、
共和党を支持しているのは、
①軍需産業 ③草の根保守 ④福音派
民主党を支持しているのは、
②金融資本 ⑤移民労働者
それにアフリカ系黒人ということになります。
「草の根保守」は政府を信用して
いませんから、
福祉も年金もやめて
減税してくれ、減税してくれ、
老後の面倒は自分で見るという
立ち場を貫きます。
国防費で利益を得る「軍需産業」は
常に戦争を望みます。
逆に「草の根保守」は
「国外のごたごたに介入するな」
という立ち場です。
したがって、構造的に共和党の支持基盤は、
分裂しているのです。
また「草の根保守」は
ただの平和主義者ではありません。
西部時代からの伝統で
「武装して自分の身は自分で守る」
という考え方が根付いています。
かつて、インディアンの襲撃から
ライフル片手に自分の家族を守ったように。
ですから、アメリカの自由を脅かす
「敵」に対しては、
ためらうことなく銃をとります。
9・11以降の「イスラム過激派」は、
明白な敵に見えました。
だから彼らはイラク戦争に熱狂したのです。
◇ 紀元前5世紀、古代ギリシャ・アテネにおいて、
ペリクレス将軍は古代民主政を完成させました。
しかし「完成」のあとに待つのは「崩壊」です。
彼の死後、民衆を扇動し、アテネを亡国へと
導いた政治家が、わらわらと現れ、
アテネは衰亡していきます。
こうした政治家のことを
「扇動政治家(デマゴーゴス)」といい、
デマゴーゴスに導かれた政治のことを
「衆愚政治」といいます。
そして、この衆愚政治は
別名「死にいたる病」とも言われています。
衆愚政治に陥った国は、
遠からず亡びることになります。
◇ 2017年ドナルド・トランプが
アメリカ大統領になりました。
民主主義がまともに機能していたら、
けっして勝ち残るはずのない人物です。
アメリカの民主主義が典型的な
「衆愚政治」に陥っている証拠です。
これはアメリカだけの問題ではありません。
当然、日本も巻き込まれます。
案の定、トランプ大統領の孤立が加速。
国内では「ロシアゲート」、国際社会では
「パリ協定離脱」「アメリカン・ファースト」を
掲げてはいるが、正反対の結果になっています。
◇ 古代アテネにおいて「クレオン」
という人物はアテネを崩壊に導いた典型的な
デマゴーゴスとして歴史にその名を刻みました。
ドナルド・トランプ大統領も
「アメリカ合衆国を衰亡に導いた大統領」
として、歴史にその名を刻むことに
ならないことを 切に祈ります。
*今日一日の人生を大切に!
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