必殺営業トーク!「ねぇ、奥様、お願いしますよ」①   vol.39

今日は、異色の営業マンをご紹介いたします。

◇ Yさんは大手メーカーの経理マンだった人で、

  新聞にも掲載された横領事件に関わり、

  懲役を何年か務めた方でした。

 

  だから本当は、

  「知る人ぞ知る」

  人物なのです。

 

◇ この人、朝の挨拶も「ニヤッ」

 笑うだけで言葉を決して発しません。

 

 お客様の家を訪問したときも、

 信じられないことですが、

 見ず知らずのお宅でも、

 出てきた人への挨拶は何もなく

「ニヤッ」と笑うだけ。

 

「いま我社は商品のキャンペーンを

 していますので、一度商品説明を聞いて

      いただけないでしょうか」と、

 このせりふを棒読み状態でお客様に

 義務的に言うだけです。

 

 実に愛想のない話法であり、

 セールスマンとしての気遣いは

 微塵も感じられません。

 

 そして驚くことに  その後は、

 「ねぇ、奥様、お願いしますよ」

 をただただ連発するだけなのです。

 

 お客さまからどのような返答が返ってきても、

 聞かぬ素振りで、なお一層かぶせるように

 「ねぇ、奥様、お願いしますよ」

 の連発で押し通します。

 

 この場面を横で見ていたら、

 本当に異様な光景に見えると思います。

 

 間違ってもお客様とセールスマンの

 やり取りとは思えません。

 

 お客さまの前で30分も40分も、

 時には一時間を超えて連発している

 なんてことは、正直想像もできません。

 

 まず普通に考えてみて、通常の感覚では

 そんな行為はできっこありません。

 

 相手がどんな言葉を返してきても、

 意に介さず、

 「ねぇ、奥様、お願いしますよ」

 だけを繰り返します。

 

◇ ところが Yさん、大企業での事件は

 ともかくとして、

 セールス生活では一切警察の

 厄介になったことはありません。

 

夏でもきちんと品の良いスーツを着こなしており、

とても「ねぇ、奥様、お願いしますよ」

連発するようなセールスマンにはみえません。

 

 だからお客さまもあきれ果てた顔で、

 ただただ 対応に困ってしまうのです。

 

 実は、これこそが Yさんの狙いなのです。

 

◇ 呆れ果てたお客さまが

「ねぇ、奥様、お願いしますよ」

 の連発から逃れたくて、

 苦笑いしながらも仕方なく

「説明を聞くこと」を承諾すると

 いうのが、吉田さんの計画です。

 

 これこそが、他人には

 マネできないYさん独自のテクニックなのです。

 

 一歩間違えば、これもまた警察沙汰も

 覚悟の、コンプライアンスギリギリの

 危ういテクニックだともいえます。

 

 しかもこの人、メシを食うよりも、

 女性よりも、酒よりも、

 ボート遊びが大変好きなのです。

 

 いわゆる公営ギャンブルの競艇です。

 

 多額の横領の源は、

 どうもこのへんにあるようです。

                                           つづく

<今日の名言>

たとえば 日暮れとき 

農家のアゼ道を一人で

歩いていると考えてごらん。 

庭先にリンドウの花がこぼれんばかりに

咲き乱れている農家の茶の間。 

灯りがあかあかとついて 

父親と母親がいて、子供がいて 

賑やかに夕飯を食べている。

これが本当の人間の生活と

いうもんじゃないかね。 君!     

                           by 寅さん

 

*今日一日の人生を大切に!

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