不祥事を起こす企業の本質的な問題 ③ vol.740

郵便局や、野村證券、スルガ銀行が

  ここまで追い詰められた背景には、

 

企業が旧来型のビジネスモデルを

捨てられず、

 

過剰な営業社員を抱え続けなければ

ならないという要因が横たわっている。

 

すでに抱えている大量の営業社員を

解雇することもできない。

 

肥大化した組織を

緩やかに小さくするため、

 

「今年から新卒はとりません」

 というわけにもいかない。

 

では雇用を維持するための

  戦略とは何か。

 

それが、過大な営業目標を掲げ、

ノルマを徹底することで

なんとか売上げを確保するという

「営業戦略」であった。

 

そしてこれは同時に、

会社にとって唯一の

「経営戦略」にもなった。

 

こうして、過大なノルマが

強引な営業や不正につながり、

 

ついには不祥事を蔓延させるという

結果につながっていった。

 

そんな中で、

 浮き彫りにしたのが、

 

201911月、各種報道で流された

郵便局不祥事案の続報だ。

 

日本経済新聞は

「かんぽ増益予想に修正へ」

というタイトルで、

次のような記事を配信した。

 

「かんぽ生命が20203月期の

 業績予想を上方修正する見通しとなった。

 連結純利益は1300億円を超え、

 増益となりそうだ。」

 

この記事の肝は次の部分である。

 

「新規契約は大きく落ち込んでいる。

 

 これにより、

   日本郵便に対する手数料も減る。

 

 不祥事案に対する調査費用はかかるが、

 それを上回る経費減となっている。」

 

つまり、営業自粛により

営業社員が動かなかった分、

 

なんと大幅な経費削減を実現でき、

業績の上方修正につながりそうだ

というのだ。

 

これは郵便局が抱え過ぎた

営業社員の雇用を維持するために、

 

無駄であっても営業活動を

行わざるを得なかった自縄自縛の状態が、

続いていたということに他ならない。

 

では、なぜ、過剰な数の営業社員を

抱える企業がここまで増えたのか、

 

答えは「大量生産・大量消費」

というかつての時代背景にある。

 

かっての日本では、

このビジネスモデルが隆盛を極め、

 

多くの企業がその波に乗って

規模を拡大して、大企業化していった。

 

そして過剰に生産された製品を

消費するために、

 

消費を煽る営業手法が取られ、

大量の営業社員が投入された。

 

しかしもはやそういった旧来型の

営業パターンが通用する時代ではない。

 

これらの企業の「プランA」はもう時代遅れ。

 

「プランA」は、まったく通用しない。

 

すみやかに「プランB」に移行しなければ

生き残ることさえできないのである。

           完

 

 

今日一日の人生を大切に!

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