「マネー・ボール」に学ぶ人材発掘の方法     vol.155

 

「マネー・ボール」という面白い本があります。

  

この本は映画化されたので、

ご存知の方も多いでしょう。

 

アメリカのメジャーリーグ球団

アスレチックスが、どのように成功を

つかんだかを描いたノンフィクションです。

 

全選手の年俸のトータルがヤンキースの

3分の一というアスレチックスは、

スター選手不在の弱小チームでした。

 

それまでの野球界では、

スカウトがあちらこちらの試合を見て回り、

いい選手を発掘するのが常識でした。

 

どの球団も、ホームランを連発するような

能力の高い選手を血眼になって探していました。

 

その常識を覆したのが、

元メジャーリーグでアスレチックスの

ゼネラルマネージャーとなった

ビリー・ビーンです。

 

ビリーは他球団では、

「欠陥品」と見なされ、

評価されないような選手ばかりを

安く集めました。

 

しかし、その選手たちに猛特訓して

一流選手に鍛え上げようと

したわけではありません。

 

独自のデータを参考に選手を選考しました。

 

たとえば、ビリーが注目したのが

 

              「出塁率」

 

フォアボールを選んで塁に出る回数が多い、

選球眼の優れた選手を選びました。

 

フォアボールなら確実に出塁できる。

 

粘りに粘ってフォアボールに持ち込めば

相手投手は疲弊するので、

次ぎの打者もフォアボールとなる

可能性も高くなります。

 

先発投手を疲弊させて交代させれば、

平均的に中継ぎ投手は

先発投手よりも劣るため、

さらに出塁率は上がります。

 

4人フォアボールが続けば、

それだけで1点とれるといった戦略です。

 

この戦略をはじめ、それまでの常識を覆す

さまざまな理論を基にチームを変革し、

アスレチックスは4年連続で地区優勝に輝き、

去っていったファンも戻ってきました。

 

これはまさにチームづくりに

成功した好例です。

 

選手は自分の見せ場をつくろうとするより、

出塁して、チームとして勝つことを

重視しなければなりません。

 

一流よりチームの効率性が重要なのです。 

 

◇ 会社も同じだと思います。

 

優れた社員はほんの少数。

 

その他の社員を猛特訓しても

時間をかけたわりに成果があがらない

ということになります。
(パレードの法則参照)

http://dr-tonbi.jp/2017/05/10/0020/

 

ではどうするか、

社員の選考基準を変える

つまり出塁率アップを狙うのです。

 

たとえば、

「仕事はあまりできないけど

 彼がいることにより

 職場の雰囲気がよくなる」とか、

 

そのような社員を安くスカウトしてきましょう。

 

日本人にこだわる必要もありません。

 

欧米人、アジア系等安い賃金で

素晴らしい人材が多数います。

 

賃金の多寡や個人のスキルではなく、

 

チームの効率を優先させることが

ポイントです。

 

<今日の名言>

世の中を敵のまわして戦うときには、

世の中につけ!  フランツ・カフカ 

 

*そういえば、松下幸之助さんも

   同じようなことを言っていました。

 

「世間の目は、長い目でみれば正しい」 

 

 世間を敵にまわすと、

    ろくなことはありません。

 

今日一日の人生を大切に!

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