◇ 「改元」というのはご存知のとおり、
天皇の在位期間を基準に定められる。
今回は新天皇が即位されることで、
新たな元号が制定されることになった。
「改元」自体が特別な何かを
持ち合わせているわけではないが、
過去の金融市場に起きた事象を見ると、
改元直後から数年は特別な状況が
示現することが多いことがわかる。
◇ これを改元のせいにするのは
極めて不遜な見方であり、
戦前ならば不敬罪になりかねない。
だが、あえて
「昭和」「平成」を例にとると、
凍りつくような事態が
発生していることに気づかされる。
◇ 株式市場ではご祝儀相場を
期待する声も高まっているが、
しかし、過去の改元後の状況を冷静に見ると、
そういったことではない逆の状況が
示現するアノマリーが確かにあり、
しかもその中身は恐慌や暴落という
極めて恐ろしい事態であるところが、
なんとも気になるところだ。
アノマリー : 理論的な根拠はないが、
よく当たるとされる経験則
◇ まず、大正から昭和という元号に
切り替わった後について
見てみることにする。
大正天皇崩御の翌年の昭和2年3月、
衆議院予算委員会の中で、
当時の片岡直温蔵相が
「東京渡辺銀行が
とうとう破綻を致しました」
と失言したことから始まって
金融不安が顕在化し、
中小銀行を中心に
大規模な取り付け騒ぎが発生した。
当時は大慌てで片面印刷の
200円圏を急遽印刷して、
現金供給に努めるなどといった対応で
なんとか取り付け騒ぎを
鎮静化させることとなった。
しかし、1929年・昭和4年には
「世界恐慌」が、
そしてその翌年の昭和5年には
「昭和恐慌」が発生して、
国内の経済は壊滅的な打撃を
受けることとなった。
その後第二次世界大戦が勃発し、
経済もろとも焦土と化した。
◇ 昭和から平成への移行時は、
平成元年の年末に日経平均は
3万8915円 をつけた後、
バブルがはじけ、
大きく下落を始めることになったのは
周知の事実だ。
それから実に30年近く
人々の気分は沈下し、停滞することになった。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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