ファーウェイ排除しても中国が5Gで覇権国家となる理由 ⑥ vol.502

 

いま、アメリカの名門大学に

     留学してPhDを取得し、

 

PhD :  Doctor of Philosophy 
          博士水準の学位

 

シリコンバレーの大手IT企業で

数年勤務した後、

 

ベンチャー企業に参加して

会社設立のノウハウを学び、

 

その後自分のベンチャーを

シリコンバレーで立ち上げるというのが

こうしたエリートの一般的なキャリアコースだ。

 

こうした人々が政府による

リクルートの対象となっている。

 

現在では「海亀」と呼ばれる人材群だ。

 

「海亀」はアメリカで

     PhDを取得した後、

 

「グーグル」や「アップル」などの

最先端企業で働き、

 

その後帰国して

ベンチャーを設立している。

 

いま中国国内では、帰国組も含め、

500万人を越える修士号、博士号の取得者、

そして研究者がいるとされる。

 

この数はさらに増加している。

 

もちろん、

   こうした人材が設立したベンチャーには、

    中国の政府系ファンドも投資をしている。

 

特に5Gのテクノロジーに関しては、

政府の「科学技術部」、「工業情報化部」、

「国家発展改革委員会」が

5G推進小グループ」を設置し、

 

「ファーウェイ」を始めとする

中国の5G関連企業の全面的な支援を始めた。

 

このように見ると、

    知的財産権の侵害によって、

    日米欧の企業が開発した

    先端的なテクノロジーを盗むことが、

    中国のテクノロジーの基盤であるとする、

 

日本で比較的に広く喧伝されている

イメージは、当たってはいないことが分かる。

 

中国の経済力を基盤とした旺盛な投資、

 

そして膨大な人材のプールが、

中国の先端的なテクノロジー開発を

支える基盤だ。

 

これが、イギリスやアメリカを始めとした

各国経済への影響力の拡大と合わせて、

 

中国の先端的テクノロジーの世界覇権を

目指す基礎になっている。

 

したがって、

   米中貿易交渉で中国の知的財産権の

   侵害さえ効果的に禁止できれば、

 

中国のテクノロジー開発の勢いは

止ると考えるのは早計だ。

 

現状を見るとそうはならない。

 

トランプ政権による中国への圧力と

ブロックにもかかわらず、

 

5G6G、量子コンピュータ、

量子暗号、AI、宇宙開発などの

最先端のテクノロジーの分野では、

 

中国の価格的にも安いテクノロジーと、

アメリカの同レベルだが高価な

テクノロジーとが競うことになる。

 

「ファーウェイ」の創業者の任正非は、

 

「最先端で安いテクノロジーを提供すると、

   アメリカからどんなに圧力があっても、

    各国は「ファーウェイ」の機器を

    導入せざるを得ないはずだ」

 

というような意味のことを言っているが、

まさにそうだろう。

 

◇ これから中国は厳しい時期に入る。

 

成長率は鈍化し、不動産をはじめとした

あらゆるバブルが崩壊する可能性もある。

 

そうした中国の状況を見て、

日本では中国崩壊論が活性化することだろう。

 

もはや中国には未来がないという

イメージが喧伝されるはずだ。

 

しかし、そのようなイメージに

拘泥していると、

 

中国が持つ潜在的な発展力の

現状を完全に見失うことになる。

 

中国の「海亀」たちの存在を

忘れないでほしい。

                                

 

 

今日一日の人生を大切に!

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