中国人の歴史認識⑫  vol.1121

◇ 抗日戦争中、

 

 中国の900を超える都市が

 日本軍に占領された。

 

今日の若い世代は、

祖父母やさまざまな人たちから、

 

この戦争についての多くの話を

聞いていると思われるが、

 

今の団塊の世代より

若い人たちは、

 

歴史的な事実さえも

詳しくは知らないではなかろうか。

 

◇ 中国の都市の多くには、

 

 あの戦争の記悟を

 根づかせるため、

 

 博物館、記念碑、史跡 などが

 無数にある。

 

記憶の元になる

これらのたくさんの情報源によって、

 

もはや彼らにとって、

忘れることは不可能になった。

 

なぜ戦争の亡霊が

いまだに中日関係に

暗い影を落としているのか、

 

これで大方理解できるだろう。

 

◇ 両国関係が正常化されて

 半世紀が経過したが、

 

 あの時の恨みは、

 今も生きているのである。

 

両国の人々にとって、

戦争中の歴史は、

 

体験談や記念碑だけで

今日にまで語り継がれているのではない。

 

政治家の何気ないひと言、

 

新作映画の公開、

 

あるいは新たな歴史の本の

出版などによっても、

 

その記憶はいつでも

彼らに蘇ってくる。

 

◇ あの戦争は、両国の間に、

 

 いくつものデリケートな

 「歴史的象徴」を残しており、

 

それらは意図的にしろ、

意図的でないにしろ、

 

過去の残像を鮮明に

「再起動」させることが

できるのである。

 

そしてそうなれば、

 

両国間にまた深刻な

緊張や紛争さえも

引き起こすことになる。

 

過去の紛争の記憶は、

 

東アジアの国際関係の

あり方を左右する

大きな要素となっているのである。

 

われわれ日本人は、

歴史という手錠を

かけられているわけではないが、

 

しかしその手錠の本質について

高い意識を持つことは必要である。

 

◇ 自宅近くの中華料理屋で

 麻婆豆腐を食べながら、

 

 中国人店員に、

 

「勿忘国恥(ウーワン・グオチー)

   早く忘れてください!」

 

と言ってみようかと、

 

そんな衝動にかられる

今日この頃である。

 

◇ こういった中国人の

 歴史認識を踏まえて、

 

 我々日本人は

 今後グローバル社会の中で、

 

どのように彼らに

接していったらいいのか、

 

こんなことを真剣に

考えなければならい。

 

最後にもう一度言いたい。

 

歴史的事実よりも

歴史認識の方が

より重要なのである。

             完

 

 

今日一日の人生を大切に!

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