◇ サマセット・モームの
「人間の絆」は
モーム自身の自伝的小説だ。
だから主人公フィリップは
モーム自身でもある。
幼くして親を亡くし、
足に障害を持つフィリップは、
人生の意味を考え続けている。
そして東方の王様の逸話を思い出す。
◇ この王は人生とは何かを
知ろうと願い、
ある賢者にその答えとなる
書を注文する。
だが、国事多忙な王は、
5百巻に及ぶ書を読む時間がないため、
賢者に要約を命じる。
要約が完成したのは20年後だ。
人生の命題は50巻になっていた。
だが、すでに高齢に王には、
その50巻を読む時間もなさそうに思われ、
さらに要約を命じた。
さらに20年が過ぎて、
賢者はたった1巻にまとめた本を持参した。
だが、死の床にあった王は
もうその1巻さえも読めない。
そこで賢者は王に、
人生の意義をたった一行にして伝える。
「人生は、生まれ、
苦しみ、そして死ぬ」 と。
人生には意味など何もない。
フィリップはそれに気づいて救われる。
◇ つまり、
人生ということを
真剣に考える人にとっては、
人生は苦しみそのもの。
だから人は誰しも、
フィリップのように、
なぜかくも苦しい人生を
生きなければならないのかと思い悩む。
自分の無力さや小ささに苦悩する。
そしてそこから、
どのような境地を
切り開いていけるのかが、
非常に重要になってくる。
そんなに肩肘はって考えても
しかたないとか、
「人生は冥土までの暇つぶし」
というように楽観的に考えるとか、
そのようなことが
必要なのかもしれない。
そして究極は、
「人生は誰と出会えるか、
その積み重ねでしかない」
人生とはまさに、
そういうことかもしれない。
<今日の名言>
頭を回転させて考えを整理したいとき、
文字にしてみることほど、
効果的な方法はない。
ウオーレン・パフェット(投資家)
*文字にすることにより、
自分の考えや望みが明確になり、
夢に近づくことができるのです。
普段から文字にしてみる習慣が大切です。
今日一日の人生を大切に!
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