◇ 大平正芳 第68・69代
内閣総理大臣。
「アーウー」の首相である。
このように言っても
知っている人は、
もはや少ないかもしれない。
◇ 大平氏は田中角栄内閣の
外相を務めていた1973年、
第一次石油危機直後の講演で、
本来、歴史というものは、
最終的解決なるものはないのであって、
暫定的解決を無限に続けていくのが
歴史だと思うのであります。
と語った。
◇ 大平は「永遠の今」
という言葉を座右の銘とした。
これは哲学者の田辺元(たなべはじめ)が
1939年におこなった講演をまとめた、
「歴史的現実」に由来する。
「永遠のゼロ」もここからきた。
◇ 田辺は時間を、
川のように一方向に
流れてゆくものとは
とらえていなかった。
過去は過ぎ去って
いまは「ない」ものであるとともに、
現在の中で働いている。
同様に未来も、いまは「ない」が、
現在の私の働きによって
「ある」ようになる。
すなわち、過去も未来も
あらゆる時が成立するのが現在であり、
それゆえ現在は永遠なのだ、と
田辺は考えたのである。
◇ 大平大臣の講演での,
「暫定的解決を
無限に続けていくのが歴史」
という言葉も、
田辺哲学から、
過去も未来も現在の働き次第だと
学んだ彼ならではのものだった。
人間に与えられた時間は、
常に今しかない。
過去はすでになく、
未来は未だ存在していない。
今の一瞬をどう生きるかが、
すべてなのだ。
◇ けっして雄弁ではなく、
派手なパフォーマンスとも
無縁だった大平氐のスピーチは、
国民を導くというよりも、
むしろ指導者と国民がともに
考えることを促すものであった。
<今日の名言>
俺はコートに入ったら、
「俺」ではなく「俺たち」と
考えるようにしている。
マジック・ジョンソン
(元プロバスケットボール選手)
今日一日の人生を大切に!
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