寒い春     vol.715

親を亡くした子供を孤児という。

 

    伴侶を亡くした人を寡婦、

    あるいは寡婦という。

 

子供を亡くした親を呼ぶ言葉はない。

 

なぜなのか。

 

「その痛みは言葉に尽くせないからだ」

 

かつて「9.11」テロの追悼式典で、

当時のニューヨーク市長が述べた言葉である。

 

日本語だけでなく英語にも

言い表わす単語はないようだ。

 

 大正・昭和の川柳作家の

  麻生路郎(じろう)に、

 

「湯ざめするまでお前と話そ夢に来よ」

 

   の一句がある。

 

病没した小学生の長男に

語りかけた一周忌の作という。

 

病床で静かに命を終えた子にも、

残された親が「お前と話そ。おいで」

と言えるまでには、

 

1年という時間がかかる。

 

しかし夢からは永遠に消えない。

 

<今日の名言>

俺に似よ俺に似るなと子をおもい

あの博士今度は民主主義を売り

           麻生路郎

 

 

今日一日の人生を大切に!

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