「一国二制度」の香港の姿を見て台湾は考えるべし ② vol.534

 

◇ 台湾人は、こうした香港の悲劇を

    しっかりと見るべきだ。

 

何度も言うが、

「一国二制度」のまやかしで

餌食にされた香港の例があることを、

 

2020年の総統選挙に向けて台湾は

しっかりと教訓にするべきだ。

 

◇ 香港の「一国二制度」は、

    香港返還時に英中双方による

    国際的な約束で、50年間はこの体制を

    維持することを両国で取り決めた。

 

しかし、2017年の行政長官選挙に

中国政府が介入し、

 

民主派候補の立候補が制限され、

この約束は中国側によって事実上、

反故にされた。

 

◇ 中国では、漢、晋、明といった

     諸王朝時代から封建制を敷いており、

     中央集権国家だった。

 

それは今でも変わっていない。

 

香港に対して「一国二制度」という

建前を保ってはいるが、

 

その実は、歴代王朝同様に香港を

中央集権の一部に取り込んだだけであり、

「二制度」は有名無実化されている。

 

◇ 香港がイギリス領となったのは、

     アヘン戦争の結果であった。

 

もともとイギリスは舟山諸島を

欲しがったのだが、

 

舟山諸島は長江の出口で、

清朝には都合が悪かった。

 

そこで清朝は、

人口5,000人しかなかった

漁村の島を与えた。

 

それが後に、

中国人の駆け込み寺的な存在となり、

 

人口が約1,000倍以上に急増した上に、

世界の金融センターとしても有名になった。

 

日本が一時占領した満州国も

中国と切り離され他国に統治された地域は、

近代産業社会へと急激に変貌した。

 

この事実を中国は冷静に

見つめるべきだろう。

 

◇ 香港人の運命は、

    全人類にとってひとつのモデルケースだ。

 

中国に返還されたことにより

「籠の鳥」になるだけでなく、

 

「法治国家」から「人治国家」へと

後退したまさにモデルケースだ。

 

中国が「一つ」である以上、

返還後の香港の「中国化」は免れず、

 

「一国二制度」が形骸化するのも

避けられない。

 

◇ 香港人は、かつて享受していた自由と

    人権を守りたいと思っている一方で、

    中国人からすればそれは贅沢な要求だ。

 

香港に一国二制度を許したら、

「一つの中国」の大原則が揺らいでしまう。

 

中国には中国の仕組みと原則がある。

 

「天下はひとつ」「大同」

 

が中国の原則だ。

 

※ 大同 :
  天の公理に基づき、人心が和合し、
  よく治った、あらゆる差別のなくなった
  至公無私の平和な社会のこと。
  

香港ごときに「一国二制度」

許すことはできないというのが、

中国の言い分なのだ。

 

◇ チベット、ウィグル、内モンゴルも、

 無理やり併呑されて、

 

漢族の移住と独自文化抹殺によって

「中国化」が進められた。

 

現在はキリスト教やイスラム教を

中国政府の完全支配下に置く、

「宗教の中国化」も進められている。

 

大量のウィグル人強制収容も、

その一環として行われている。

 

◇ 中国に飲み込まれた以上、

    一国二制度や高度な自治、

  多種多様な価値観などは、

  決して容認されず、

  待っているのは同化しかない。

 

それこそが 「中国の夢」

チャイナドリームなのだ。

                             

 

 

今日一日の人生を大切に!

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