◇ ゲームデザイナーの
ジェイン・マクゴニカル博士は
ゲームの条件として次の4つを挙げている。
1. ゴールが明確
2. ルールがある
3. フィードバックがある
4. 自発的な参加である
これらの条件をしっかりと満たしているゲームは、
ゲーマーを夢中にさせるのである。
これは、まさに
エンゲージメントの条件と重なっている。
つまり、仕事にエンゲージするということは、
良質のゲームを楽しむことに似ているのである。
たしかに、トンビがこれまで出会ってきた、
エンゲージメントの高い人たちが
仕事をする姿は、
まるで 「達成ゲーム」や
自分の 「成長ゲーム」を
楽しんでいるように見えた。
また、優秀なマネジャーは、
部下にゲームを楽しませるように
仕事を割り振っていた。
エンゲージメントを高めるために、
できることはたくさんある。
◇ここまで、仕事をゲームのように
楽しめれば仕事にエンゲージし、
生産性も向上し、幸福感も高まる、
という構図について書いてきた。
しかし、仕事とゲームは違う、
という意見もあるだろう。
もちろん、ゲームは限られた世界観の中で
楽しむものであり、
リアルな仕事は、ゲーム要素はあるものの
各人の人生と切り離しては考えられない。
そして、人生はもっとずっと複雑である。
◇ 多くの患者を看取った
ブロニー・ウェア氏は、その著書
『死ぬ瞬間の5つの後悔』(新潮社)の中で、
最期の後悔、すなわち人生で最も本質的で
大切なことについて次の5つを挙げている。
●自分を幸せにしてやればよかった
● 他人の期待に沿うための人生ではなく、
自分がやりたいことをやっておけばよかった
● 仕事ばかりしなければよかった
● 自分の本心を伝えておけばよかった
● 友達と連絡を絶やさないでおけばよかった
最期にもっとしっかり仕事をすればよかった、
と思う人はいない。
つまり、いまやっている仕事が
自分のしたい仕事でないならば、
可能な限り手を抜いて、
もっと人間関係の充実や、
自分が本当にやりたいことに
時間をかけることが、
結局は大切なことなのだ。
そう先人たちは、言い遺している。
この言葉は貴重だ。
だからなおさら自分の好きな仕事を見つけ、
仕事を充実させながら、
自分自身のため、
そしてよりよい人間関係のために
有意義な時間を費やすことが必要だ。
◇ 自分自身は何者なのか?
本当にやりたいことは何なのか?
この重要な問いに答えられる人は少ない。
仕事が忙しすぎて、
そんなことをじっくり考える暇がない、
というのが実情だろう。
自分が本当にやりたいことを
やる時間を持つことによって、
エンゲージメントが高まり、
その結果業績も高まる。
そこでは、仕事に対しての
エンゲージメント向上はもちろん、
リベラル・アーツなどを通じて
自分自身を深く知ることや、
社会貢献や人間関係を通じて
社会人としての自分を見つめることが
重要になってくる。
前述の「5つの後悔」とは、
結局人生に対するエンゲージメントを
もっと高めておけばよかったという
後悔だと理解している。
◇ 自分の能力が生かされず、
努力が報われない環境はとてもつらく、
「クソつまらない仕事(人工無能仕事)」と
言いたくなる気持ちはよくわかる。
しかし、「自分はサラリーマンだから」
と思考停止し、
「クソつまらない」と言って何もしないことは、
やがて人生をも飲み込んでしまう
大きな落とし穴に自ら落ちることだと
考えたほうがいいだろう。
今の立場上、大きな改革を起こしたり、
斬新なアイデアを形にしたりすることは
できないかもしれない。
それでも、自分をもっとエンゲージ
させることはできるのではないだろうか?
会社もそれを望んでいるはずだ。
まずは、今の仕事にどうやったら
もっとエンゲージできるか考え、行動する。
そうすれば、「クソつまらない」
と思っていた仕事が
少し違ったものに見えてくるに違いない。
あとは、高い視座で、
自分自身、社会を見つめよう。
そうすれば「人工無能仕事」は
自分自身で作り出していることが
理解できるであろう。 完
今日一日の人生を大切に!
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