◇「ティール組織」という概念
をご存知だろうか?
実はティール組織という概念は
2014年にフレデリック・ラルー
によって初めて紹介された。
ラルーの考え方の中でも特徴的なものが、
「旧来のマネジメント手法は
成果が上がっており正解だと思われているが、
実は組織に悪影響を与える可能性を孕んでいる」
ということを指摘したことである。
◇ ティールl組織(Teal組織)の特徴は
「組織を一つの生命体」
として捉えていることだ。
組織は、組織に関わる全員のものであり
「組織の目的」を実現すべく、
メンバー同士で共鳴しながら行動をとる。
ティール組織の一つの形態として考えられるのが、
以前にも紹介した 「ホラクラシー経営」である。
ヒエラルキー階層がない会社が
東証一部に上場 ①、② vol.390,391
アメリカのEC企業である
代表事例として挙げられる。
誰かが指示や命令を出すという
ヒエラルキー構造はなく、
組織の目的を実現すべく
メンバー全員で共鳴しながら行動する
スタイルが求められる。
階層も上下関係もなく、
社員に責任と権限が委譲され、
「セルフ・マネジメント」(自主経営)を
前提に動く組織は、まさに民主主義的だ。
◇「経営(マネジメント)」は、
自由で生産性の高い理想の形を求めて、
日々進化している。
一方、「社会」に目を向けると
状況は対照的に見える。
◇ 2018年 11月6日に行われた
米国の中間選挙の結果、
下院で民主党が8年ぶりに過半数を奪還した。
トランプ政権へ評価が下されて
米国が落ち着きを取り戻した
という向きもあるが、
依然としてアメリカの世論は
真っ向から分断されている。
むしろこの選挙結果から、
ますます憎しみ、
対立が深まっていると見るのが妥当だろう。
他国でも同様の懸念がある。
ブラジルで新たに誕生した大統領は、
「ミニトランプ 」と揶揄されるほどの
過激な言動で国民の熱狂的な支持を得た。
また、Brexitに揺れた英国をはじめ、
ドイツやフランスなどの先進国でも、
いわゆる「右派ポピュリズム」と
呼ばれる勢力が台頭している。
世界の政治潮流は、
「対話」「協力」よりも
「強硬」「対立」 に
向かっているかのように見える。
◇ 過激で高圧的なリーダーの人気が高まり、
「Yes か Noか」という二極対立が進み、
多様な価値観が認められにくくなる。
「敵」を明確に掲げるリーダーに
多くの国民の支持が集まり、
意見や立場の異なる人たちを阻害し、
攻撃し始め、ますます対立が深まる
悪循環に陥ってしまう。
この問題を解決できるのは誰であろうか。
政治家だろうか。
経済学者だろうか。
◇ ピーター・ドラッカーは、
一人一人の身近にある会社や
職場の「マネジメント」が
この問題を解決する鍵だと、
かつて断言した。
我々が「マネジメント」を学び、
それを自ら実践することがなぜ、
民主主義を守り前進させる鍵になるのか。
その理由と方法について、
これから探ってみることにする。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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