「世界の潮流は対立へ」その答えをドラッカーは知っていた ②   vol.444

◇ どのリーダーが「有害」

     誰がそうでないのか?

 

世の中には、

人々を幸福な結果に導くリーダーと、

 

一時的には人々の心を鷲掴みにして

熱狂させても、

求めていたような結果が出せない。

 

場合によっては当初より悪い状態に

してしまうリーダーもいる。

 

だが、それ以上に深刻なのは、

 

「大衆の心を支配し、その人たち自身が

       生産的に行動する活力を奪う」ことだ。

 

有害なリーダーは、

  「耳触りの良い言葉」

   私たちに語りかけてくる。

 

「悪いのはあいつらだ」

「私を支持してくれれば、生活を良くする」

「こうすれば、あなたの不安はなくなるだろう」

 

                  ……といった具合だ。

 

不安と恐怖を感じる人ほど、

その魅惑の虜になり、

 

理性的というより感情的にリーダーを頼り、

従うことになる。

 

すなわち、独裁的で有害なリーダーを

生み出しているのは、

他でもない私たち自身でもある。

 

政治でも企業でも、それは同様だ。

 

◇「Populist (ポピュリズム政治家) 」

      の反対語は、

 

Statesman(公正な政治家)」

 だと言われる。

 

「Statesman」は、

ポピュリズム政治家と違い、

 

大衆自身にも、自助努力によって

自己変革することを求める。

 

◇ ケネディの有名な言葉に、

 

“Ask not what your country can do for you; 

ask what you can do for your country.”

 

「国があなたのために

   何をしてくれるのかを問うのではなく、

 

   あなたが国のために

   何を成すことができるのかを問うて欲しい。」

(第35代アメリカ合衆国大統領 
    John F. Kennedy ジョン・F・ケネディ)

 

公正な政治家は、耳触りの悪いことでも

国民に率直に伝え、

 

痛みを伴う自己変革のエネルギーを

引き出す努力をするのである

                              

◇ 昨今頻繁に言われる「ポピュリズム」が、

    そのまま「民主主義」を阻害する

    というわけではない。

 

その国の状況や、

ポピュリズムという手法が

使われる意図、目的による。

 

抑圧的な政治体制を打破するために、

ポピュリズムという方法が

正当に活用された場合も当然ある。

 

したがって、

「ポピュリズム」そのものが悪い、

ということではない。

 

その手法が「結果」として

どのような影響を人々に及ぼすか、

を冷静に判断する必要がある。

 

◇ そのような観点から見ても、

    今日、世界各地で起きている

  「ポピュリズム政治」によって、

 

民主主義的な話し合い、相互理解、

対話の自由が奪われていることは間違いない。

 

特定のリーダーの思想や影響力に

支配された民衆が、

 

人種や価値観が異なる相手に

容赦なく憎悪を剥き出しにしていく。

 

これは「民主主義」よりも

「全体主義」を彷彿とさせる。

 

様々な価値観を受け入れながら、

考え方が異なる人とも対話する姿勢を

持ち続ける民主主義の精神とは真逆だ。

                                            つづく

 

今日一日の人生を大切に!

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