◇ 本日ご紹介する会社は、
油まみれの鉄工所から大変身。
現在はディズニーやNASA、ウーバーとも
取引するという京都の注目企業である
HILLTOP株式会社
京都府宇治市に、お風呂、社員食堂、
筋トレルーム付きの建坪600坪の
全面ガラス張りの社屋を構え、
全国から入社希望者が殺到中。
月面探査チーム「HAKUTO」の
サポーティングカンパニーも務める同社だが、
かつては、普通の古びた町工場であった。
それが、なぜ変わったのか、
どう変わったのか。
◇ 同社では、かつて人が機械に
張り付く時間が8割だったのが、
現在は、デスクでの
クリエイティブな時間が8割、
機械の前が2割。
機械が働くのは人が帰った夜中。
これで利益率が20%を超える
というのだから、すごい。
同社の受注の8割は、
製作数1~2個の多品種単品。
月に3000種類をオーダーメイドで作る、
クリエイティブな現場だ。
知恵を絞って新しいことをやるのは楽しい、
同じことの繰り返しは楽しくない。
従って、同社では既に作ったものを
データベース化し、楽しいことしかしない
製造業を目指している。
本格的なロボット、AI活用時代に
企業がどう変わるべきなのか、
これは一つのモデルとして
注目すべきケースだと思う。
毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、
「24時間無人加工の夢工場」へと変身。
今のヒルトップに、油まみれで働く社員は、
ひとりもいない。
◇ では、この会社の方針を
具体的に見ていこう。
・普通の鉄工所の場合、
就業時間の8割が機械の前、
2割がデスク仕事だが、
ヒルトップではこの割合を逆にした。
・昼間は、デスクで人がプログラムをつくる。
人が帰った夜中に、機械に働いてもらう。
・「利益」を追いかけるのではなく、
「人の成長」を追いかける。
・日本の大企業(親会社)が採用する
「ジャストインタイム生産方式」も、
下請いじめのひとつ。
(トンビもまさにそう思う)
ウィン・ウィンの相手とだけ取引する。
・ 会社の中のあらゆるもの、
刃物やボルト1本に至るまで番号づけして、
すべてに細かく「番地」をつけた。
・「職人はつくらない」
職人一人ひとりがバラバラに持っていた
機械セッティングやプログラミングの
ノウハウを全部吐き出させて、
統一基準となる標準値を定めた。
◇ 「職人は、つくらない」というのは、
「獺祭」で有名な旭酒造と同じ考え方で、
これから伸びる製造業の条件だと思う。
これまでの常識にあぐらをかくのではなく、
積極的に人間らしい職場を追求していく。
このような姿勢から21世紀の優良企業が
生まれるのではないだろうか。
そんなことを考えさせられた。
ルーチン化した仕事を
いかにしてロボット、AIに任せるか。
本書から学ぶことは多いと思う。
今日一日の人生を大切に!
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