◇ 時として「自由業」と表現される
「フリーランス」は、
忘れ去られた「バブル期」には
憧れの職業であった。
役所や会社などの組織に
束縛されない働き方、
コピーライター、フォトグラファー、
ミュージシャン、コンサルタントなど、
クリエイティブ系のカタカタの肩書、
そして著名人に代表される高収入…
フリーランスとしての働き方こそが、
憧れのゴールという時代も確かにあった。
◇ その後、バブル崩壊や長期デフレ、
リーマンショックと続いた
日本経済力の低下により、
企業は外部への委託費を大幅に削減し、
雇用済の「企業戦士」を酷使する
「ブラック企業」が主流になった。
企業から外部への発注が激減、
フリーランスの魅力も失せてしまった。
◇ その後、日本を代表する
広告代理店・電通が引き起こした
労働基準法違反と社員の自殺という事件は、
労基署からの是正勧告および
同社社長の引責辞任に発展し、
日本社会に「ブラック企業」と
「働き方改革」という言葉を定着させた。
これにより各企業とも
従業員の労働時間削減に邁進、
これにより外部への業務委託が
増加する傾向を生み出した。
◇ また会社組織の規制緩和により、
「副業、複業促進」という副産物も
新たに生まれた。
サラリーマンでありながら、
フリーランスとしても業務遂行する潮流も
珍しくなくなった。
これにより、
会社員として企業に縛られないと
「生きていけない」という概念が崩れ、
現在は副業や業務委託専門の
募集サイトも現れ始めた。
◇ 2020年に入り、
そこへ追い打ちをかけるように
新型コロナ・ウイルスが世界を席捲。
社員は出社停止で、
テレワークという事態も珍しくなく、
自宅で仕事をするのが
「普通」という感覚が定着すると、
「通勤しない=会社の束縛なし」
という認識が広がり、
会社員とフリーランスの間を隔てていた
心理的障壁が取り除かれてしまった。
20世紀までは「フリーランスへの転身」は
「会社を辞め、ひとりで喰って行く」
という覚悟を強いられていたが、
現在は副業として
フリーランスの業務を追加していく…
という時代へと移り変わっていった。
◇ テレワークにより
物理的に移動することもなく、
「定時で本業を終了し、
以降は副業の時間」と、
切り替えられる環境も
整えられるようになった。
昭和、平成の時代の,
「ひとつの企業に勤め、
定年で退職金をもらう」
という生き方は、
ここに来て、崩壊してしまった。
◇ 60歳の定年まで勤務しても
「人生はまさに100年時代」
残り40年を無収入で生きて行くのは、
そうとう難しい。
だが、フリーランスに
定年はない。
そう考えると、令和の今、
フリーランスとして働き方は、
必ず視野にいれるべき人生の選択肢と言える。
「働き方改革」と
「新型コロナ・ウイルス」
により、
「一億総フリーランス」という時代が
やって来るのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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