◇ エマニュエル・トッドという名前が、
近年、ジャーナリズムをにぎわせている。
*ドッド:フランスの歴史人口学者
昨年の米大統領選では、
大方の識者がヒラリーと予測する中、
「トランプ当選」を予見していた。
これ以前にも、ソ連の崩壊、リーマン・ショック、
イギリスのEU離脱などを予言している。
その的中をもって、
”21世紀の預言者” と呼ばれたりする。
◇ 昨年の米大統領選挙中、トッドは
「トランプを支持する人たちの
反乱は理にかなっている」と明言していた。
彼が論拠としたのは、
2015年に発表された人口動態調査だ。
その調査では、1999年以降、
米国では白人中年(45~54歳)の
死亡率があがっている、との結果が
示されていた。
21世紀に入る頃から米国の産業は疲弊し、
労働者の収入は増えていない。
自殺や麻薬中毒等が働き盛りの
世代を死に追いやっていることは明らかだ。
行き過ぎた自由貿易と移民の増加が、
白人労働者を追い詰めている
というわけである。
◇ トランプは、そうした不満を
解消するという発言を続けてきた。
自由貿易に対しては保護貿易を、
移民に対しては制限を、国境には壁を。
「そうした候補を民衆が選んだこと
自体は間違っていない」と、
トッドは冷静に言うわけである。
◇ 米国へ移民した人々のうち、
ドイツ系やユダヤ系、日本系などの
直系家族の民族は教育熱心だ。
これに対して、アングロサクソン系の
白人は絶対核家族だから、教育に対する
情熱は薄く、よって高等教育を受けずに
社会に出た子どもは低学歴で、
必然的に収入減に見舞われることになる。
言い換えれば、絶対核家族に内在する
教育不熱心という要因が、プア・ホワイトの
社会的上昇を妨げ、さらなる貧困の連鎖を
生んでいることが、トランプ当選の
真の理由ということになる。
しかし、当選はしたものの
「パリ協定離脱」「ロシアゲート」等、問題続出。
短期政権になることは、想像に難くない。
*今日一日の人生を大切に!
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