”21世紀の預言者” トッドから見たアメリカ   vol.73

◇ エマニュエル・トッドという名前が、

   近年、ジャーナリズムをにぎわせている。

 *ドッド:フランスの歴史人口学者

 

   昨年の米大統領選では、

   大方の識者がヒラリーと予測する中、

 「トランプ当選」を予見していた。

 

  これ以前にも、ソ連の崩壊、リーマン・ショック、

  イギリスのEU離脱などを予言している。

 

  その的中をもって、

 ”21世紀の預言者”  と呼ばれたりする。

 

◇ 昨年の米大統領選挙中、トッドは

 「トランプを支持する人たちの

           反乱は理にかなっている」と明言していた。

 

    彼が論拠としたのは、

   2015年に発表された人口動態調査だ。

 

   その調査では、1999年以降、 

   米国では白人中年(45~54歳)の

   死亡率があがっている、との結果が

   示されていた。

 

  21世紀に入る頃から米国の産業は疲弊し、

  労働者の収入は増えていない。

 

  自殺や麻薬中毒等が働き盛りの

  世代を死に追いやっていることは明らかだ。

 

  行き過ぎた自由貿易と移民の増加が、

  白人労働者を追い詰めている

 というわけである。

 

◇ トランプは、そうした不満を

    解消するという発言を続けてきた。

 

   自由貿易に対しては保護貿易を、

   移民に対しては制限を、国境には壁を。

 

  「そうした候補を民衆が選んだこと

              自体は間違っていない」と、

    トッドは冷静に言うわけである。

 

◇ 米国へ移民した人々のうち、

   ドイツ系やユダヤ系、日本系などの

   直系家族の民族は教育熱心だ。

 

   これに対して、アングロサクソン系の

   白人は絶対核家族だから、教育に対する

   情熱は薄く、よって高等教育を受けずに

   社会に出た子どもは低学歴で、

   必然的に収入減に見舞われることになる。

 

   言い換えれば、絶対核家族に内在する

   教育不熱心という要因が、プア・ホワイトの

   社会的上昇を妨げ、さらなる貧困の連鎖を

   生んでいることが、トランプ当選の

  真の理由ということになる。

 

  しかし、当選はしたものの

「パリ協定離脱」「ロシアゲート」等、問題続出。

 

  短期政権になることは、想像に難くない。

 

*今日一日の人生を大切に!

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