名前のない一寸の虫にも五分の魂  vol.997

◇「お天気博士」の倉嶋厚氏は、

     中学生の夏、虫捕り網を買った。

 

   日中戦争がはじまった頃である。

 

父親が竿に住所氏名を

墨で書いてくれた。

 

大宇宙銀河系太陽系地球亜細亜州

大日本帝国中部地方長野県

上水内長野市西長野町   倉嶋厚 

 一寸之虫五分之魂

 

父親はつぶやいた。

 

「虫には太郎や花子という

   名前がないからなァ」

 

お前が捕るカブトムシが

 厚という名前なら、厚は死ぬんだ。

 

その後もカブトムシは

いくらでもいるが、

 

それは厚ではなく、違う名前の虫だ。

 

カブトムシは残っているじゃないか、

と人は考える。

 

集団に名前があっても、

個人に名前がなければ、

そういうことになる・・・・」

 

犠牲者」「被災者」

     という集団には、

 

 それぞれに、

「大宇宙」で、ただ一つきりの

 

名前があり、人生があった。

 

そのことを心に留めてもらうだけでも、

父親のつぶやきの意味は大きい、と

 

倉嶋厚氏は言った。

 

 

今日一日の人生を大切に!

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください