◇ 最近、すでに定年を迎えた人や
定年間近の人たち何人かに
話しを聞く機会があった。
いずれも会社員や公務員として
働いてきた人たちだが、
現在は起業家として活躍するなど、
今の生活を生き生きと
過ごされている方ばかりだ。
◇ 話しを聞いていて、ほとんどの人に
共通する点があることに気がついた。
それは現役時代に何らかの挫折を
味わっているということ。
そしてその挫折を転機として
それまでの考え方や生き方を
変えたということ。
挫折の多くは病気や仕事での大失敗、
そして左遷といった出来事だ。
誰でもこういう事態に直面すると
大なり小なりショックを受ける。
その人たちも当時はかなりの
ダメージだったようだ。
◇ある人はこんなことを言っていた。
「異動を命じられたときは
こんなに頑張ってきたのに、
この仕打ちはないよなと思った」
でも、落ち込みはしましたが、
同時に何だかとても気持ちが
楽になったそうだ。
そして逆にこう考えたという。
「これだけ頑張ってきたのだから、
こうして楽になれたのかもしれない」
つまり、今までの座標軸で
物事を考えるのではなく、
心機一転、新しい立場で挑戦してやろうと
思うようになったというのだ。
もちろん、その境地に至るまでは
心の中で様々な葛藤があっただろう。
誰もがこんなふうに考えられる
わけではないだろうが、
病気、左遷といったつらい出来事も
自分に与えられたひとつの運命だと捉えて、
受け入れるのは素晴らしいことだ。
◇ 別の方は、
病気で会社を長期休職
しなければならなくなった。
休んでいる間に生き方を考え、
仕事や人生に対する発想を変えたことが
その後の起業につながったという。
◇ 挫折を経験した人が
異口同音におっしゃるのは、
「今から思えばあれが人生を変える
きっかけになった。
それまで走り続けて
見えなかったものが初めて見えてきた」
ということだ。
そう考えると、
挫折は大きな財産といえる。
◇ 人生はまさにことわざ通り、
「人間万事塞翁が馬」で
良いことも悪いこともある。
挫折というほど大げさではなくても、
会社員生活においては、
不遇をかこつ時期や先行きに
失望する時期は誰にもある。
そんなネガティブな出来事を
不幸と考えるのか、
それともそれまでの生き方を
変えるチャンスととらえるかによって、
その後の展開は
全く異なってくるのではないだろうか。
今日一日の人生を大切に!
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