◇ 「孫子」は、多くの歴史上の人物が
参考にしてきた書物になる。
現代でも、「孫子」を参考にしている
経営者が数多くいる。
ソフトバンクグループの
孫正義氏もその一人だ。
そこで、このコロナ禍で
社会や企業が揺らいでいる今、
孫子の言葉を経営の参考に
してみてはいかがだろうか。
いくつかの言葉を拾ってみることにする。
◇ まず最初の言葉は、
一に曰(いわ)く道、二に曰く天、三に曰く地、
四に曰く将、五に曰く法 (始計篇 第一)
戦いに勝つには、
五つの重要項目があると説く。
それが、
道(理念)、天(自然環境)、
地(立地条件)、将(リーダー)、
法(システム)
この言葉は、経営の重要な要素を
表していると言っていい。
◇ 特に一番重要なのが 「道」
孫子によれば、「道」とは、
「民をして意を上と同じくさせるもの」
つまり、会社の進むべき方向を
社員と一致させることが「道」だと言っている。
つまり、これは会社の「理念」のこと。
「道」を一番に持ってくる孫子は
やはり相当できる人だったのだろう。
だから、
経営者には腹に落ちる書物になった。
◇「道」の次には、
「天」や「地」といった
環境条件があげられている。
経営においても外部環境を
有利に活用することは重要なこと。
◇ その次は 「将」
経営者やリーダーのことになる。
この能力次第で、
戦いに勝つことも負けることもある。
この五つの中には
「兵」つまり「社員」は出てこない。
あくまでも、会社は、
経営者次第だと言っている。
◇ 最後にあがっているのが 「法」
これは「法律」のことではない。
組織やルールやシステムなど、
管理のことを言っている。
つまり、「経営管理」
のことを意味する。
◇ さらに、この言葉の前には、
「計るに五事をもってし、
これを校(くら)ぶるに計をもってし、
その情をもとむ」 とある。
つまり、経営計画を立てるときには、
この五つのことを重視し、
しっかりと情報分析せよ、ということだ。
まずは、この五つが大事なことになる。
◇ 次に紹介する言葉は、
彼を知りて己を知れば勝、
すなわち殆(あや)うからず。
天を知りて地を知れば勝、
すなわち全(まっと)うすべし。
(地形篇 第一)
孫子の中で最も有名な言葉に、
彼を知りて己を知れば、
百戦するも殆うからす
(謀攻篇第三)
がある。
地形篇の言葉では
「彼」と「己」のことだけでなく、
「天」と「地」を知ることが
重要だと言っている。
「天」と「地」は、
最初にあげた「五事」のこと。
実はこの言葉が意味することは、
現代の経営で言えば、
「SWOT分析」に当たる。
つまり、自社を取り巻く世の中の
変化や競合相手、顧客の分析をし、
そこにおけるチャンスやリスクを
明らかにすると同時に、
自社の強みや弱みを明らかにするのが
「SWOT分析」だ。
まさに孫子はSWOT分析の
重要性を説いている。
2,500年前にこのようなことが
言われていたとは驚きだ。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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