◇ 平安時代のあとに武家政権の
鎌倉幕府が成立します。
鎌倉武士も京都の公家たちに
負けず劣らずよく酒を飲んでいました。
「吾妻鏡」という歴史書には、
その様子が詳しく書かれていますので
いくつか紹介しましょう。
◇ まず初代将軍の源頼朝は豪華な船上での
酒宴を何度も楽しんでいます。
御家人はじめ、遊女や猿楽師などを引き連れ、
海の上での盛大な饗宴です。
また、お正月には、「椀飯」(おうばん)と
呼ばれる最も重要な儀式が毎年行われました。
三日間、ぶっ続けでの酒宴付きです。
盛大に奢ることを「大盤振る舞い」
といいますが、
語源はこの儀式にあるとのことです。
◇ 実朝が暗殺されたあとは
北条氏が実権を握ります。
五代執権北条時頼に
こんなエピソードがあります。
ある人物が夜中、突然、時頼に呼ばれます。
用件はなんと、晩酌の相手を務めること。
肴は台所で適当に探せよ、といわれ、
壺に入った少々の味噌を見つけ、
二人してちびりちびり
深夜の酒を楽しんだそうです。
兼好法師の「徒然草」に
詳しく描かれています。
その頼時はいっぽうで
酒の販売禁止令も出しています。
飲酒がそれだけ武士に悪影響を
もたらしていたのでしょう。
禁止令が出された際、
鎌倉中の民家にある酒壺が数えられました。
全部で 37,274個。
武士に限らず当時、
飲酒がいかに盛んであったかがわかります。
鎌倉の町にはすでに飲み屋もありました。
調査の翌日、民家にあった酒壺一個を残して
あとは全部破却されたと
「吾妻鏡」は伝えています。
そんなはずはないと思いますが………
<今日の名言>
金だけが人生ではない。
が、金が無い人生もまた人生とは言えない。
十分な金が無ければ、
人生の可能性のうち半分は締め出されてしまう。
サマセット・モーム(英国の劇作家、小説家)
*金は持っておくことに越したことはありません。
今日一日の人生を大切に!
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