リベラルアーツを学ぶべき3つの理由 ② vol.622

 

◇ ではなぜリベラルアーツが必要なのか、

  その理由を考えてみることにする。

 

1つはグローバル化の進展だ。

 

新興国の経済発展に合わせ、

日本企業の海外進出先はますます拡大。

 

日本からモノを輸出するだけでなく、

現地で、現地のニーズに合わせた

ビジネスを生み出す必要に迫られている。

 

そこで問われるのが、

現地のパートナーといかに

密接な信頼関係を築けるか。

 

海外では人と人との個人的な信頼関係が

ビジネスの成否を分けることが多い。

 

そこで役立つのが、

歴史や文化の知識だ。

 

日本人が陥りやすい失敗として、

 

海外のパートナーから

「おまえはここで何をやりたいんだ」

と聞かれて、

 

会社がやりたい事業の説明ばかりする

ケースがあるという。

 

例えば、その国や地域の歴史や文化、

スポーツ、食べ物など何でもいい。

 

自分の趣味や関心と絡めて、

相手を自分の土俵に

引きずり込むことができれば、

 

相手も『こいつは面白いやつだ』

と認めてくれる。

 

◇ 2つ目はリーダーとしての

    判断軸を持てることだ。

 

ビジネスでは正解のない問題に

答えを出さなければならない場面も多い。

 

自分の判断軸がなければ、

リスクへの恐怖で思考停止に陥ってしまう。

 

そんなとき、

人間をよりよく知ろうと努力してきた人、

そして歴史上の人物に学んできた人は、

 

自分の道はこれだ、と

腹をくくれるのではないかと思う。

 

つまり、リベラルアーツは,

 

未知の恐怖を受け入れる

心の余裕を生み出す。

 

こうしたリーダーの態度を見て部下は、

「この人が判断するならついていこう」

と思うようになる。

 

ビジネスにおける判断とは

「正解を求めることではなく、

人を巻き込み、動かすこと」であり、

 

特に現代のような変革期の

リーダーには不可欠な要素になる。

 

◇ 3つ目の理由は組織内の

    コミュニケーションの

    円滑化に役立つことだ。

 

多くの職場で飲みニケーションが

すたれて久しいが、

 

その理由の大部分は上司が部下に

自慢話や説教を繰り返すことだろう。

 

そうでなく、

リベラルアーツを媒介にして、

 

同じテーマで上司と部下が

フラットな関係で議論すれば、

 

お互いの趣味や関心を知ることができ、

心理的な距離を近づけることができる。

 

例えば、ある会社では部長が主宰して

次長らと一緒に本を読む会を開いている。

 

全員が同じ本を読んできて

感想を言い合うなかで、

 

自然に自分の経験を交えて

話すようになっているという。

 

いわば「今風の伝承の場」

なっているわけだ。

 

自分事として考えることで、

学びの深みも違ってくるだろう。

                               つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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