「貯金好き」日本人に変化到来   vol.436

 

◇「貯金好き」と知られる日本人だが、

     若い世代にある異変が起きている。

 

昨年スタートした「新しい投資」

利用者の4割以上が若い層だという理由に迫る。

 

◇ 昭和20年、

「戦後ニ於ケル国民貯蓄増強方策」

が制定されたことで、

政府が国民に対して貯蓄を奨励。

 

以後、国民の間には「貯金すること」

「美徳」とする感覚が根づき、

 

日本人は世界的に見ても

「貯金好きな国民」と言われるようになった。

 

また、1990年代の“バブルの崩壊”によって、

お金を貯めることの大切さを実感したことも、

 

「貯金好き」と言われることと

無関係ではないだろう。

 

◇ では、日本人は実際にどのぐらいの割合で

     貯金しているのだろうか。

 

2015年末のデータをもとに金融庁が作成した、

「各国の家計金融資産構成比」によると、

 

日本人は資産の 52% 

現金と預金で保有しているのに対し、

 

米国が 14%、イギリスが 24%

その差は歴然。

 

「貯金大国」

日本が呼ばれる所以がここにある。

 

◇ だが近年、そんな「貯金大国ニッポン」

   ある変化が起きている。

 

20~30代が「新しい投資」

目を向け始めているのだ。

 

「新しい投資」とは、

 

「毎月一定額を積み立てる

   スタイルの投資のこと」

 

自分で作る年金制度

 

「iDeCo(イデコ)」

 

少額からの積立・分散投資を

目的に作られた

 

「つみたてNISA」

 

などが、それだ。

 

2018年にスタートした

「つみたてNISA」を始めるために

証券口座を新規開設した人の割合は、

 

20代が 15%

30代は 28% となっており、

 

20代と30代の合計が

40代と50代の合計と

全く同じ割合になっていることがわかった。

 

◇ 車離れ、ブランド離れなどの

    キーワードが取り沙汰され、

 

「若者たちが消費に対して

    消極的になっている」

 

と言われる中、

 

なぜ若い世代が、

そうした積み立て投資に

注目し始めたのだろうか?

 

◇ 野村證券マーケティング部

    の調査結果では、

 

「たとえば、『つみたてNISA』なら、

野村の場合、月々1,000円から始められる。

 

そうした手軽さが、若い人に馴染みやすかった、

と分析する。

 

◇ 今まで投資に関心があっても

    実際に始めていなかった人たちは、

 

『投資する前に勉強を!』

とまじめに意気込みすぎていた人だ。

 

毎月書籍1冊分程度の価格で、

投資しながら勉強できるのは、

魅力だったのではないかと思われる。

 

加えて、近年の株価上昇などの影響で、

20代~30代のまわりには、

『儲かった人たち』が少なくない。

 

そのため、投資に対してポジティブな

印象を持っているように感じる。

 

◇ 思えば、今の30代の多くは、

    2008年のリーマンショック以降に

    社会人になった世代。

 

リーマンショックの影響で一時は

7,000円を割った日経平均も、

2015年には2万円台に回復。

 

その後、若干の揺り戻しはあったものの、

日経平均が1万を割ったことはない。

 

◇ つまり、今の若い世代は、

「景気が上昇していく日本」

一緒に成長してきた世代であり、

超低金利の銀行しか知らない世代でもある。

 

そういう意味で、貯金よりも投資に

関心が高まるのは必然なのかもしれない。

 

そして、そんな投資意欲旺盛な

若い世代の背中を押したのが、

 

まとまった資金がなくても始められる

「積み立て型の投資」だったのだろう。

 

「つみたてNISA」や「iDeCo」などの

非課税枠をうまく利用することが

お金持ちになるコツであることは間違いない。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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