◇ 酒には、一般的に甘口、辛口の
2つのタイプがある。
居酒屋などでもお店の人に
「どんなタイプがお好きですか」
と聞かれることもある。
いったいこの甘口、辛口は、
どんな基準で決められるのだろうか。
◇ 専門的には「日本酒度」が
甘辛のモノサシとされている。
ときおり瓶のラベルにも書かれている。
プラス五 とか マイナス二 とか
数字で表示されている。
プラスが辛口、マイナスが甘口で、
ゼロはちょうどその中間ということになる。
◇ 実は辛口といっても日本酒の中に
辛い成分があるわけではない。
相対的に甘くないのが「辛口」なのだ。
甘いのはほとんど糖分。
つまり糖分が多ければ甘口、
より少なければ辛口となる。
◇ またモノサシである「日本酒度」は
比重を基準としている。
糖分は比重が重いので、
多く含まれていれば
酒の比重も重くなり、甘口、
少なければ軽くなり、辛口となる。
◇ また、甘辛には糖分だけでなく、
酸も影響している。
酸味が多いと辛口に、
少ないと甘口に感じられる。
◇ それにもうひとつ、
アルコールも関係しており、
度数が高いと辛口に、低いと甘口になる。
つまり、酒の甘辛は、
糖分、酸味、アルコールの3つの多少が
決め手となるわけだ。
◇ 江戸中期から明治以降は辛口全盛、
戦時中から戦後長らくは甘口が
市場を支配していたが、
その後、地酒ブームが起きて
淡麗辛口が主役となった。
現在では濃醇(のうじゅん)なタイプや
果実酒のようなフルーティーなタイプも登場、
もはや甘辛だけで選ぶ時代ではなくなった。
◇ 日本酒ファンにとっては
ありがたいことに、
味わいの選択幅が驚くほど広がっている。
最初から甘口か辛口かと決めつけず、
様々なタイプを楽んでほしい。
今日一日の人生を大切に!
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