米中が「トゥキディデスの罠」にはまった時の日本の対処方法 ② vol.588

 

◇ 軍事衝突の可能性もある

    米中の覇権争いに際し、

 

   地理的には米中の間に位置し、

   経済的には米中に次ぐ世界3位の日本は、

  どう振る舞うべきか。

 

ヒントとなる言葉が日本企業の中にあった。

 

◇ ホンダの米国販売会社として

      1959年に設立された

     アメリカン・ホンダ・モーターで、

    今も大切に語り継がれている言葉がある。

 

それは、

 

たいまつは自分の手で」
 (Carry our own torch

 

発言の主は本田宗一郎の右腕として

ホンダの成長を支えた藤沢武夫氏。

 

67年に講演で語った内容を英訳し、

「ホンダズ・オリジン」という資料に残して、

 

ホンダの企業としてのあり方を

米国の販売会社などに説いている。

 

「ホンダは、松明(たいまつ)を

     自分の手でかかげていく企業である。

 

 日本の企業には先頭に立って

 明かりを灯す企業より、

 

 その後ろにくっついていく企業の方が、

 圧倒的に多い。

 

たとえ、小さな松明であろうと、

自分で作って、

 

みんなの方角とたとえ違っても、

自分の信じる道を進んでいく、

 

これがホンダという企業である」

 

◇ 当時の自動車メーカーは、

    自動車を日本から輸出するのに

    商社を活用するのが普通だった。

 

だが、ホンダは全額出資の販売子会社を

米国に立ち上げ、見ず知らずの土地で

自ら販売網を開拓した。

 

自動車の製造拠点を日系メーカーとして

初めて米国に構えたのもホンダだった。

 

小さな存在であっても、

自分のことは自分で決める。

 

この藤沢氏の考え方がその後、

ホンダを世界に通用する

グローバル企業に育て上げた。

 

◇「国」もこれと同じだろう。

 

   大きなたいまつを掲げる米国に

   何も考えずついていくのは簡単だが、

 

それは自国の未来を他人の手に

委ねていることを意味する。

 

◇ 藤沢氏の講演はこう続く。

 

「その松明が照らすところのものは、

   先頭の人にとってはいいけれど、

   後続の人にとってよいか悪いか、

   うしろにいてはわからない。

 

  いつ火が消されるのか、

  いつ目の前で扉がしまるか判断できない」

 

◇ たとえ小さなたいまつでも、

     自分の手で持たなければ

     未来は切り開けないのである。

 

米中のどちらのたいまつに

ついていくかではなく、

 

日本も自らの手でたいまつを持つ

気概がいま求められている。 

 

 

今日一日の人生を大切に!

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