米中貿易戦争は「5G」によりさらに悪化する② vol.683

20189月から10月にかけて、

    次の2つの報告書が発表された。

 

ひとつは、国防総省を中核とした

各省庁のプロジェクトがまとめたもので、

 

次は、米議会のリクエストにより、

同じテーマを国防総省内の

「国防戦略委員会」というチームが

まとめた報告書だ。

 

これらの報告書では、

    現在のアメリカの国防産業が、

 

 グローバリゼーションによる

 製造業空洞化の影響を受け、

 

兵器の生産能力が大きく衰えている

実態が明らかになった。

 

ロシアや中国との間では、

    すでに300ほどの領域でアメリカの

    国防産業の劣化が進行しており、

 

アメリカの国防産業は

中国のサプライチェーンに依存しないと、

すでに成り立たなくなっている

状況になっていた。

 

また、アメリカの安全保障の基礎となり、

    アメリカの軍事的な覇権を支える

    最新ハイテク兵器のシステムは、

 

   どれも大量のレアメタルを使っている。

 

特に第4次産業革命の進展で

次世代のITテクノロジーが

急速に発展するにつれ、

レアメタルへの依存度は高くなっている。

 

しかし、現在のレアメタルの80%は

中国が供給している。

 

特に、レアメタルの鉱物種のひとつで、

17種類のレアアースでは、

 

中国への依存度はさらに高く、

90%に達している。

 

レアアースそのものの埋蔵は

中国だけではなく、

 

ベトナム、ブラジル、ロシア、インド、

オーストラリア、アメリカ、そして日本など

各国で確認されているものの、

 

レアアースを原材料として

製品化できるレベルのテクノロジーは、

実は中国に集中しているのが理由だ。

 

これはアメリカの安全保障にとっては、

    深刻な状況である。

 

このような状況を挽回するために

トランプ政権は、次のような政策に舵を切った。

 

1)保護貿易による国内製造業の保護

2)政府の公共投資を活発化

3)海外に移転した製造業の生産拠点を  
   国内回帰させる

 

このようにして

国内の製造業の基盤を再整備して、

 

ロシアや中国を凌駕する

強い国防産業を再建することを

目標にしている。

 

これがトランプ政権が、

中国を敵視するもっとも大きな理由だ。

 

単なるハイテク覇権をめぐる

争いではないのである。

        つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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