中高年のひきこもりで明るみになった「8050問題」③ vol.537

 

◇ これを読んだ人の中には、

     所詮他人事と思っている人が

     多いかもしれない。

 

だが、トンビの知人の弟がそうだったように、

一回でも健康をこわしただけで

「戦力外」になってしまうご時世だ。

 

会社が求めるのは、

「自分たちの要求にノーと言わない」

社員であり、

 

24時間365日バリバリ元気で、

   丈夫に働ける」社員。

 

誰もが、ギリギリに追い詰められ、

いつ落ちるかわからない綱渡りを

強いられているのが今の日本社会だ。

 

だいたい「人手不足、人手不足」

まるで呪文のように繰り返されるけど、

ホントに人手不足なのか。

 

人手が足りなくなるような、

働き方、働かせ方を、

自分たちがしているのではないか。

 

◇ 61万人もの「働き盛り」

     ひきこもっていることの

     経済的損失は計り知れない。

 

彼らを戦力にする方策を進めることは、

8050問題」解決の一助になるのではないか。

 

パソコンを利用した仕事など、

自宅でもできる仕事を国が

率先してひきこもりの人に発注する、

 

社会的に孤立していると情報も入りづらいので、

かつて働いていた企業が

積極的に連絡を取り雇用する、etc.etc.・・。

 

あるいは「脱落者」を出さないために、

非正規雇用の賃金を正社員以上にすることも

ひとつの解決策になるのではないか。

 

「今、目の前にいる人」を

生かす試みが少なすぎる。

 

トンビにはそう思えてならないのである。

 

◇ マッチョな働き方を基準にする限り

    “脱落者” は増えるばかりだ。

 

その “脱落者” に社会が注ぐ

冷ややかなまなざしも、

再び一歩前に踏み出そうとする力を奪う。

 

こうした社会による懐の狭さと冷たさが、

社会的に孤立する親子を量産させている。

 

◇ 2010年にオックスフォード

     英語辞典の中に、

   hikikomoriという語が記載された。

 

これは日本だけではなく、

海外にも同様の現象が

起きていることを意味する。

 

その割合や日本との違いは

研究者によっても見解が異なり、

定かではない。

 

ただ、ひとつだけ確かなのは、

日本がどの先進国よりも急速に

超高齢化社会に突入しているってこと。

 

日本では社会問題が山積していて、

この複雑化した問題を解決する

魔法の杖は存在しない。

 

◇ ひきこもりの人いわく、

 

「自分は無価値、

   このまま死んでしまっても

   誰も何も困らない」

 

そういった諦めが

中高年のひきこもりにはあるようだ。

 

そんな “諦め” を生まないための

働き方改革を進めて欲しい。   

 

 

今日一日の人生を大切に!

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