◇ これを読んだ人の中には、
所詮他人事と思っている人が
多いかもしれない。
だが、トンビの知人の弟がそうだったように、
一回でも健康をこわしただけで
「戦力外」になってしまうご時世だ。
会社が求めるのは、
「自分たちの要求にノーと言わない」
社員であり、
「24時間365日バリバリ元気で、
丈夫に働ける」社員。
誰もが、ギリギリに追い詰められ、
いつ落ちるかわからない綱渡りを
強いられているのが今の日本社会だ。
だいたい「人手不足、人手不足」と
まるで呪文のように繰り返されるけど、
ホントに人手不足なのか。
人手が足りなくなるような、
働き方、働かせ方を、
自分たちがしているのではないか。
◇ 61万人もの「働き盛り」が
ひきこもっていることの
経済的損失は計り知れない。
彼らを戦力にする方策を進めることは、
「8050問題」解決の一助になるのではないか。
パソコンを利用した仕事など、
自宅でもできる仕事を国が
率先してひきこもりの人に発注する、
社会的に孤立していると情報も入りづらいので、
かつて働いていた企業が
積極的に連絡を取り雇用する、etc.etc.・・。
あるいは「脱落者」を出さないために、
非正規雇用の賃金を正社員以上にすることも
ひとつの解決策になるのではないか。
「今、目の前にいる人」を
生かす試みが少なすぎる。
トンビにはそう思えてならないのである。
◇ マッチョな働き方を基準にする限り
“脱落者” は増えるばかりだ。
その “脱落者” に社会が注ぐ
冷ややかなまなざしも、
再び一歩前に踏み出そうとする力を奪う。
こうした社会による懐の狭さと冷たさが、
社会的に孤立する親子を量産させている。
◇ 2010年にオックスフォード
英語辞典の中に、
「hikikomori」という語が記載された。
これは日本だけではなく、
海外にも同様の現象が
起きていることを意味する。
その割合や日本との違いは
研究者によっても見解が異なり、
定かではない。
ただ、ひとつだけ確かなのは、
日本がどの先進国よりも急速に
超高齢化社会に突入しているってこと。
日本では社会問題が山積していて、
この複雑化した問題を解決する
魔法の杖は存在しない。
◇ ひきこもりの人いわく、
「自分は無価値、
このまま死んでしまっても
誰も何も困らない」
そういった諦めが
中高年のひきこもりにはあるようだ。
そんな “諦め” を生まないための
働き方改革を進めて欲しい。 完
今日一日の人生を大切に!
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