リーマン級のバブル崩壊危機に向かう中国 ① vol.458

 

◇ ブルームバーグが

「中国の空き家が5,000万戸」と報じた。

 

 <ブルームバーグ >

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手がけるアメリカ合衆国の大手総合情報サービス会社。

 

ご承知のように、中国の経済統計は

信頼に足るものが少ない。

 

日本の省庁もいい加減ではあるが、

その日本とは次元が違って、

 

集計の基準が定まっておらず、

著しく任意だからだ。

 

中国の経済統計には、

かつてのソ連のような計画経済のものが多い。

 

ソ連では、

製造された商品の価格は政府価格であり、

売れ残った在庫があっても下がらない。

 

中国の新築住宅の価格も同様で、

日本や米国のように、

市場の売買で価格を決めたものではない。

 

また新築住宅価格やGDP統計には、

作りすぎて残った住宅在庫の、

値下がり統計が入っていない。

 

GDPはこの値下がりしない生産額を集計する。

 

従って中国のGDPはまったく当てにならない。

 

◇ こんな中国でも、

    株式市場の株価は売れた価格を採用。

 

しかし資本(=マネー)を自由化しておらず、

世界市場からは、保護された株価となる。

 

中国の株価は2018年、

年初の3,500ポイントから2,535へと、

28% も下げた。

 

時価総額では250兆円という

大きな損失が生じ、

 

株の形の金融資産は 250兆円 

縮小している。

 

株が250兆円下がっているのに、

住宅価格が下がっていないのは、

 

新築の売り出し価格の統計だからだ。

 

売れた価格の統計は公表されていない。

 

◇ このように共産主義の計画経済では、

     在庫が売れたときの価格を

     統計では採用しない。

 

ソ連のGDP統計でも、

商品は政府の統制価格で

全部売れたとされていた。

 

流通在庫、不良在庫という概念はない。

 

このため価格は下がらず、

GDPは増え続けていた。

 

風船のように膨らんだGDPに応じて

増刷されていたルーブルは、

 

ソ連邦が解体した1991年
  (ゴルバチョフの時代)、

 

暴落(1/1000)して、

ハイパーインフレになった。

 

紙幣は政府の意思で、いくらでも増刷できる。

 

通貨の増刷により、砂糖水を水で薄めるように、

マネー1単位の価値を希薄化させる。

 

◇ 中国の住宅価格も、

     新築価格だけを統計する限りは、

     下がりにくい。

 

住宅、不動産、固定資本の建設額は、

そのままGDPになるからだ。

 

従って政府統計をもとにした、

2012年から6年間の住宅の単価は、

上がり続けた。

 

5000万戸(新築の5年分)という、

膨大な売れ残り在庫が、

世帯に売れるときの価格を統計したら

どうなるだろうか?

 

中国のGDPは、

間違いなく2ポイントは低下するだろう。

 

住宅価格の過大見積もりが原因で、

6.5%が4.5%の成長になるということになる。

 

それとともに、

銀行とノンバンクの不動産融資は不良化し、

 

リーマン危機のような金融危機に

向かうことになるのである。

 

◇ 不良債権は200兆円以上に

    なるかもしれない。

 

米国が1000兆円であるから、

中国は、その1/2の500兆円はあるだろう。

 

中国では、GDPの中に占める、

住宅と不動産投資、および道路や鉄道、

電力、通信などの社会インフラの投資率が

異常に高く、 45%
(日本では20%:米国では15%)

 

代わりに、個人消費の構成比が少ない。

 

◇ 2018年の名目GDPは 13兆ドル

(1430兆円;日本の2.6倍、
    米国の2860兆円の半分)

 

固定資本投資は1年分で、

日本のGDPを超える570兆円(40%)

を占めている。

 

そのための資金が、

 

(1)企業負債

(2)政府負債

(3)個人負債

 

   の増加の原因になっている。

 

特にリーマン危機のあと、

企業負債の増加率が高い。

 

金融危機になった米欧への輸出の減少を、

 

中国政府は、住宅建設、商業用不動産、

政府の固定資本の増加で、

 

補てんする政策をとったからだ。

 

なるほど、そういうカラクリだったのか。

                                           つづく

 

 

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