100年に一度のモビリティ改革「Maas」で世の中こう変わる②     vol.478

 

◇ もともと

「サービスとしてのモビリティ(MaaS)」

という考え方は、マイカーに対する概念だった。

 

マイカーは時間と場所を選ばず、

プライベートな空間で

どこにでも移動できる良さがある半面、

 

交通渋滞や事故を引き起こし、

乗っていない時間は駐車場に置き去りで、

 

貴重な土地をムダに占有するという

厄介な面も持っている。

 

大人数を運ぶのには向いていないし、

環境負荷も高い。

 

旅客における単位輸送量当たりの

CO2排出量は鉄道の 7倍

バスの 2倍以上 である。
  (国土交通省の試算)

 

人口密度の高い都市の交通の手段

として見たときに、

マイカーは圧倒的に分が悪い。

 

だから欧州やカナダ、米国の一部の都市では、

モータリゼーションが急激に進んだ70年代から、

 

マイカーをやめて鉄道などの

公共交通に回帰しようという動きが生まれた。

 

◇ 中心市街地からマイカーを締め出し、

     廃止していた路面電車を現代的な

     LRT(低床型トラム)として復活させ、

 

バスや鉄道とネットワークすることで

使い勝手を高め、

 

人と環境に優しい交通網を作り上げる

都市が出てきたのである。

 

それらの都市では、中心市街地に人が戻り、

街がにぎわいを取り戻した。

 

そこで90年代になるとLRTを中心とする

まちづくりが世界的に注目され、

 

公共交通への回帰が

喧伝されるようになったが、

 

まちづくりと交通政策を

一体的に推し進めることのできる

強力なリーダーシップを持つ自治体以外、

進めることができなかった。

 

だから、20世紀の間は、

大多数の都市ではマイカー依存から

抜け出すことはできなかったのである。

 

◇ しかし、21世紀になって状況が変わった。

 

インターネットとモバイル機器の普及により、

まず、カーシェアリングや

自転車シェアリングのような

新しいモビリティサービスが登場した。

 

スマホの普及後は、

アプリを使ってオンデマンドで

クルマを呼べる配車サービスが登場した。

 

とりわけライドシェアと呼ばれる

マイカーを使った配車サービスは、

 

いつでも好きなときに呼べて、

ドア・ツー・ドアで好きなところに行ける。

 

タクシーよりずっとリーズナブルで、

アプリ上で決済もできてしまう

という便利さから、

世界中で瞬く間に広がった。

 

◇ 2019年に向けた注目の

    ビジネスキーワードとして急浮上している

 

「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」

 

あらゆる交通手段を統合し、

シームレスな移動体験をもたらす概念で、

 

2030年には世界で100兆円以上に達すると

予測される巨大市場だ。

                     つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください