軍隊では結果がすべて、いや成績がすべて vol.291

 

◇ 戦争のまつわる格言に

  「敗軍の将、兵を語らず」

    というものがある。

 

「敗軍の将」つまり負けた方の

   指揮官(リーダー)は

「兵について語ってはいけない」

  という意味である。

 

  兵を語るというのは、

 

  負けた理由を兵隊(部下)のせいにして、

  兵隊の数が足りなかったから負けたとか、

  兵隊の能力が十分でなかったから負けた

といった言い訳をすることを指す。

 

   つまりリーダーは、兵隊の能力や

   補給などをすべての面を事前に

   理解して戦いに臨んだのであり、

 

   負けたとしたら

   それは100%指揮官のせいである

   ということだ。

 

   この点において、

   アメリカ人の考え方は非常に面白い。

 

◇ アメリカ海軍において、

   戦時における空母や巡洋艦の

   艦長の選抜基準は明確だという。

 

それは

 

「理由の如何に問わず、

     今まで船を沈めたことがない人」

 

 だそうだ。

 

「理由の如何に問わず」という

   ところが非常に特徴的だ。

 

   艦長としての能力が高く

   統率力があるのはもちろんだが、

 

   事故やトラブルも含めて

「船を沈めたことがない人」

  というところが重要なのである。

 

   アメリカ人は基本的に、

   将来のことを完全に予測することは

   不可能だと考えている。

 

だからこそ、

リーダーには能力があるのはもちろんのこと、

「運」がいいことを求めているのだろう。

 

◇ これとは正反対だったのが旧日本軍である。

 

    旧日本海軍における指揮官の

    選抜基準は明確であった。

 

    海軍兵学校、海軍大学校での成績である。

 

    いわゆる、

   ハンモックナンバー(成績順)によって

    階級が決まった。

 

   ようするに、受験勉強ができて、

   学校でも成績が良かった人を

   出世させていた。

 

   実際の戦争をさせてみて

  どうっだったかはまったく関係ない。

 

   たとえば、作戦が失敗して船を何隻も沈めて

   多くの戦死者が出たとしても,

 

  しばらく謹慎期間はあるものの、

  忘れられた頃に、再度大将や中将として

  抜擢された。

 

そしてまた同じ失敗を繰り返すのである。

 

これは陸軍でもまったく同様であり、

これこそが「失敗の本質」であった。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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