◇ 中国は、米国トランプ政権による
「米国第一主義」の間隙を縫って、
世界外交の主導権を握れるチャンスを
掴めないどころか、大きな失敗に陥った。
新型コロナのパンデミックをもたらし、
世界経済を大混乱させたからである。
しかし、それだけでない。
香港への国家安全法導入で民主化弾圧、
新疆ウイグル自治区での
イスラム教徒の100万人拘束、
南シナ海での島嶼占領による人工島建設、
軍事力で台湾をねじ伏せようとする
強硬策など、
数え上げたらきりがない「いざこざ」を
あっちこっちで起こしている。
◇ 香港への国家安全法導入は、
中英で結ばれた「一国二制度」を
破棄するもので、
条約や協定という国際間で
遵守されるべき国際法に違反している。
これが中国への信頼感を
根底から奪うことになってしまった。
◇ また、中印国境における
中国軍のインド軍急襲で、
約20名を殺害する軍事紛争を引き起した。
これに反発したインド政府は、
経済面での対中国関係を見直し、
制裁に踏み切っている。
これを契機に、インドは日米主導の
「インド太平洋戦略」の関係強化に乗出した。
◇ 中国は、自ら種を蒔いている
さまざまな紛争によって、
外交的な危機感と
孤独感を深めている。
その証拠に、習近平国家主席が、
中国はさまざまなリスクや
課題を予見すべきとした上で、
「ブラックスワン」や
「灰色のサイ」のような
事象に備える必要があるとの
考えを示した、と
新華社が1月下旬に伝えた。
◇「ブラックスワン」とは、
予見が極めて困難で、
起こる確率は低いものの、
発生した場合には
甚大な影響をもたらす事象を指す。
「灰色のサイ」は、高い確率で
深刻な問題を引き起こすと
考えられるにもかかわらず、
軽視されがちなリスクを意味する。
習氏は、こうした「ブラックスワン」と
「灰色のサイ」に備える必要性を訴えた。
「ブラックスワン」と「灰色のサイ」は、
具体的な中身は示されてはないが、
これは、「安全保障」と「経済」の
二つを意味することは間違いない。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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