「ハレ」と「ケ」の日   vol.909

民俗学では、七五三、入学式、

  成人式、結婚式など、

 

特別な意味を持つ場を

「ハレ」と称している。

 

また、年中行事においては、

お正月やお盆なども

この「ハレ」にあたる。

 

古来より、日本人は、

普段通りの日常を「ケ」の日、

 

祭礼や年中行事などを行う日を

「ハレ」の日と呼び、

 

日常と非日常を使い分けていた。

 

「ハレ」の日には、

      晴れ着を着たり、

 

   神聖な食べ物である餅や赤飯を食べたり、

     お酒を飲んで祝ったりして、

 

     特別な日であることを示した。

 

祭りの華やかさ、行事の晴れやかさ、

ケガレを落とした後の清々しさが

「ハレ」であり、

 

「晴れ晴れ」「晴れ着」「晴れ姿」など

「ハレ」の気持ちを表した言葉が

 たくさんある。

 

「ケ」は普段通りの生活を

      送る日だが、

 

 日常生活の「ケ」がなく、

 毎日がお祭りの「ハレ」だったら、

 

   それはそれでつまらないものに

    なってしまう。

 

また、陰鬱な気持ちや

  何かよくない力、病気や死など、

 

「ケ」の生活が順調にいかなくなることを、

「気枯れ」=「ケガレ」といって忌み嫌い、

 禊ぎ、清め、祓い などをした。

 

「ケガレ」を落とし、

  単調になりがちな生活に

「ケジメ」をつけて、

 

「ハレ」の日を迎える。

 

そうした物事の繰り返しで

暮らしが成り立っている。

 

日々の生活に、

「ハレ」と「ケ」があるように、

 

 一人の人の日々の中にも

 光の部分と影の部分がある。

 

悪いことが起こると

「明日はきっとよくなる」と

  自分を励ましたり、

 

よいことが起こると

「いいことばかりではない」と

喜びすぎるのを戒めたりする。

 

まさに

「禍福はあざなえる縄のごとし」だ。

 

この感覚は、

  日本人の暮らしのメリハリや

  心の影響と深いかかわりを持っている。

 

「ケ」があるから

「ハレ」が引き立つ。

 

何事もこのように捉えれば、

コントラストのある日常を

より楽しめるのではないだろうか。

 

 

今日一日の人生を大切に!

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください