前衛短歌の雄「塚本邦雄」 vol.389

 

「前衛短歌の三雄」と称された塚本邦雄。

 

31文字のなかに異形の世界を

つくりあげた歌人。

 

塚本邦雄氏にはいくつかの異称があった。

 

「言葉の魔術師」

 

「負数の王」  ともいう。

 

「日本脱出したし 

      皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係も」

 

皇帝ペンギンは本来寒い地域に棲む動物。

 

日本のような温帯からは

脱出したいと思うのは当然。

 

その本人自身も飼育係となって、

棲みにくい日本から

脱出したかったのではなかろうか。 

 

次に本人のことば。

 

 ◇ 負の10を負の10とかけると

        プラス100になる。

 

その100と、正の10を10倍した100は、

同じ100でも意味が全く違う。

 

それがわからなかったら詩歌はわからない。

 

プラス×プラスには、何の陰翳もない。

 

何事にも「陰翳」が必要だと彼は言っている。

 

もうひとつ。

 

芸というものは、八方円満、平穏無事、

     浪風たたずという環境で、

  育つものではない。

 

あらゆる障害、圧迫、非難、

嘲笑をあびせられて、

 

それらを突き抜け、押し破り、

たたかいながら育つものだ。

 

◇ 世間を見回しても、

    順風満帆で世を渡ってきたあの人、

 この人の刻みの浅い人生観、

 

プラス×プラス がいかにつまらないか。 

 

欠点、短所、キズ、変人、

変態、負数もまた天の恵みである。

 

トンビの周辺はなんと恵み多いことか!

 

<今日の名言>

 常に一歩前進することを心がけよ。

     停止は退歩を意味する 

     野村徳七(野村證券創業者)

 

*人は歩みを止め、

    闘いを忘れてたときに老いていく。

    人生死ぬまで進むしかない。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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