孤独のさみしさ   vol.845

雨にも負け、風にも負けつつ 生きている

柔らかき草 ひとを坐らす        

   伊藤一彦 「歌集 月の夜声」

 

 「雨二モマケズ」の詩は宮沢賢治の死後、

  遺品のトランクに納められていた

  小さな手帳のなかから見つかった。 

 

 賢治は東北の人である。

 

 ◇ 雨を受けてはうなだれ、

  風を受けては地に伏す草。

 

 敗者とも呼べば呼べるその草が、

 人に憩いの場を提供してくれる。

 

勝つことだけが人生ではないと

教えているかのように。

 

人は孤独のさびしさに

  敗れることもある。

 

 しかし弱い草ばかりでもない。

 

「疾風に勁草を知る」

 

という言葉がある。

 

強風が吹くと、

たいていの草は弱々しくなびくが、

そのなかにピンと立っている強い草もある。

 

人間なんでも奇胎に瀕したときに、

その真価がみえる。

 

ときには自らを

疾風にさらすことも必要だ。

 

伊藤氏の歌をもう一首。

 

 百年はおろか 十年の孤独にも 

 耐え得ぬ我か 琥珀いろ飲む

 

「百年の孤独」はノーベル賞作家、

 ガルシア=マルケスの作品名であり、

麦焼酎の銘柄」 でもある。

 

 伊藤氏は酒の歌が多い。

 

歌に「飲む」ではなく

「呑む」を使う歌人は要注意である。

 

今宵もまた 

グラスの淵に孤独をはべらせ 

琥珀いろ呑む  トンビ博士 

 

<今日の名言>

できるビジネスパーソンとは、

「わかりやすい」「はやい」を備えている人

  松本 大(マネックスグループ株式会社CEO

 *この2つが欠けるとビジネスの世界では
  大
成しないかもしれません。

 

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