高学歴と遺伝子と「マシュマロ実験」の関係  vol.763

貧困家庭に育った人でも、

 学問の世界で成功した偉人と

  いわれる人が大勢いる。

 

こういった人は、必ずしも

学歴が高い人ばかりではない。

 

しかし、人の学歴は遺伝的な影響も

強いことが確認されたというのが

本日の話題。

 

これは、米国南カリフォルニア大学の

ダニエル・ベンジャミン教授らが、

英科学誌ネイチャーに掲載したものだ。

 

研究では、高学歴あるいは

 あまり学歴がない人について、

 遺伝子を調べた。

 

その結果、人の学歴をある程度決定する

74の遺伝子を特定し、

 

学歴はこれらの遺伝子にどのような

変異があるかで決まるということ。

 

ただし遺伝子が学歴に与える影響は、

 

食生活家庭環境機会などの

環境要因と比べるとごくわずかで、

 

その割合は0.5%にも満たないとのことだ。

 

しかし、意志の強さ議論が好きといった

性格に関係する遺伝子が、

 

教育の成果やその人の学歴を

左右するというのは十分に考えられる。

 

遺伝子を学歴や知性と直接

結びつけるべきではないと述べてはいるが、

 

その一方で、今回の研究結果によって、

遺伝子が人間の行動に与える影響は、

 

環境によってどのように変化するかの

理解につながるとしている。

 

なるほど、そういえば、

子ども頃の自制心がその後の人生における

長期的な成功と関連するという、

米国の「マシュマロ実験」を思い出した。

 

マシュマロ実験は

 1960年代後半から1970年代前半にかけて

 スタンフォード大学の心理学者

 ウォルター・ミシェル氏が実施したもので、

 

マシュマロを使って子どもたちの自制心と

将来の社会的成果の関連性を測ることを

目的としていた。

 

スタンフォード大学で行われた

 マシュマロ実験には、

 

 4歳の子どもたち186人が

 被験者として参加し、

 

子どもたちは一人ずつ、

マシュマロ1個と

机とイスだけがある部屋に通された。

 

実験者は、

 

私が帰ってくるまでの15分の間、

 マシュマロを食べるのをがまんしたら、

 マシュマロをもう1つあげる」

 

と子どもたちに告げて部屋を去り、

その後の子どもたちの行動を観察。

 

その結果、実験者が戻ってくるまで

がまんをし通して2個目のマシュマロを

手に入れた子どもは 3分の1ほどで、

 

追跡調査の結果、

マシュマロを食べなかったグループは

後の人生で優秀だと評価されたことが判明した。

 

マシュマロを食べた子どもと

最後まで食べなかった子どもでは、

 

大学進学適性試験(SAT)の点数が、

トータルスコアで 210

異なることも判明している。

 

この実験により、

 

「子どもたちをとりまく環境は、

 その後の子どもたちの人生にとって

 重要である」

 

という重大な事実を明るみにした。

 

つまり、遺伝子が知性や学力

に直接つながるということではなく、

 

性格に関する遺伝子が、

その後の環境によって

どのように変化したの方が

重要だということだろう。

 

遺伝子は親から引き継がれるため、

変えようがないが、

 

忍耐強い子供に育てることが、

子育ての上で重要なポイントとなる。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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