◇ A子さんが母親の七回忌で、
飛行機で帰省した時のこと。
遺影を風呂敷に入れて、
膝に抱えて離陸の時間を待っていた。
◇ 客室乗務員より、
「こちらのお手荷物を上の棚に
お入れしてもよろしいでしょうか」
と声をかけられた。
A子さんは
「棚には入れたくありません」と伝えた。
◇ 続いて
「恐れいりますが、
離陸の際は足元に収納していただきますか」
と言われた。
A子さんは
「遺影なので、
足元にも置きたくなくて」と答えた。
◇ その言葉を聴き、事情を察したのか、
客室乗務員の表情が一変した。
「大変失礼なお願いをして
申し訳ございません」と頭を下げた。
さらに
「この度はお悔やみ申し上げます。
もしよろしければ、
隣のお席が空いておりますので、
「お客様」にも座席に
座っていただけないでしょうか」
と遺影を「お客様」と呼んで、
A子さんの隣に座らせてくれた。
◇ 一連の客室乗務員の対応に
感動したA子さん。
一時間半のフライトが、
亡き母との二人旅をしているような気持ちで、
温かさに包まれたものになった。
今日一日の人生を大切に!
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