◇ 東京23区が 8%、大阪は 6%、
それに対してソウルは 46%…。
この数字は国交省発表した
世界各地の無電柱化率である。
日本には先進国ではほとんど見られない
電柱が未だ地上に「林立」している。
災害時の危険性などが指摘されながら
遅々として進まぬ無電柱化。
その原因はどこにあるのだろうか。
元国税調査官で作家の大村大次郎氏が
自身のメルマガで、
その驚きの理由を暴露している。
◇ 電柱は、台風などの災害時に
大きな危険要素となる。
この電柱は、先進国にはほとんどない。
先進国の大半で、電線は地中に埋めている。
先進国に中で、これほど電柱があるのは
日本だけなのだ。
◇ 国土交通省の発表データによると、
先進国の「無電柱化」は次の通り。
ロンドン 100%
パリ 100%
ハンブルク 100%
香港 95%
台北 95%
シンガポール 93%
ニューヨーク 83%
ソウル 46%
ジャカルタ 35%
東京23区 8%
大阪 6%
これを見ると、先進国はおろか
香港や台北でも、
ほぼ無電柱化が達成されている。
隣国のソウルでさえ、46%も進んでいる。
東京の8%、大坂の6%というのは、
異常に低い数値だ。
地震や台風が頻発する日本こそ、
無電柱化をどこよりも進めなくてはならないのに
この体たらくはどういうことだろうか?
◇ 無電柱化の推進というのは、
阪神淡路大震災のころから言われていた。
だが、30年経っても、まったく進んでいない。
これは、もちろん、
行政の無策というのが第一に挙げられるが、
これとは別にもう一つ要因としてあげたい。
それは、電力会社の問題 だ。
かつて炎のコンサルタントと言われた
故一倉定氏は、
「電信柱が高いのも、
郵便ポストが赤いのも全部社長のせい」
といったが、実に言い得て妙な表現である。
◇無電柱化の費用というのは、
日本では、国、地方、電力会社の三者が
3分の1ずつ負担することになっている。
だが、これは建前上の話であって、
電力会社が全部負担してもいい。
電柱は災害時に停電の要因になるため
電力会社としては、無電柱化に率先して
取り組むべきだといえる。
しかも、日本の電力料金というのは、
世界的に見ても非常に高い。
2013年度の先進5カ国の比較データを見ると、
家庭用電力の場合、日本は24~25円、
ドイツは38~39円、イギリスは22円、
フランスは19円、アメリカは12円程度。
日本はドイツに次いで二番目の高さだ。
ドイツは、日本よりも高いように見えるが、
ドイツの場合、国の政策として、
再生可能エネルギーの開発費を捻出するため、
その分の税金を電気料金に上乗せしている。
その上乗せ分が、電気料金の約半分を占める。
そのため、電力会社が受け取る純然たる
「電気料金」を比較した場合、
日本はドイツと同等か、
少し高いくらいになる。
また産業用の電気料金の場合、
日本は先進5か国の中では、
もっとも高いのである。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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