疲れを自覚してからスタートする「蓄積疲労」の解消法 vol.352

 

◇ 平成最期の夏、夏休み、盆休みは

     きちんと取れただろうか?

  「かえって疲れた」という話もよく聞かれるが、

 

それは

 

「疲れを自覚できるようになっただけで、

    溜まった疲れを取る作業はそこからスタート」

 

ということになるのである。

 

その疲労を除去するには

最低2週間は必要だと語るのは、

健康社会学者の河合薫氏。

 

河合氏は自身のメルマガの中で、

 

「日本では分割基本の有給休暇取得が

  世界では原則「連続」しか認められていない」

 

という事実を紹介した上で、

 

「なぜまとめて取るのが大原則なのか?」

 

について解説している。

 

◇ 日本では有給休暇取得は

   「分割」が基本だが、

     世界は 「連続」 が基本。

 

国際労働機関(ILO)は、

原則として有給休暇の分割取得を認めていない。

 

では  「なぜ、まとめて取るのが大原則なのか?」

 

それは 「蓄積疲労」 という症状に起因する。

 

◇ この「蓄積疲労」

 

   「頭痛、肩こり、イライラ、やる気がでない、

       眠れない、ケアレスミス、疲れやすい」

 

などの症状として現れる疲労で、

 

最悪の場合、うつや突然死につながる

極めて深刻な状態をいう。

 

蓄積疲労を訴える人は、

1980年代後半以降急増した。

 

原因は精神的緊張や心的負担を伴う

仕事が増えたことに加え、

 

企業でのリストラの加速、

成果主義の浸透、

 

さらにはインターネットや

スマートフォンの普及などで

ストレスの質が変わってきたことに起因する。

 

◇ 精神的緊張や心的負担を伴う仕事には、

     適度な運動、精神的なゆとり、

    遊び、お喋り、笑い、など、

    心的疲労を癒す  “ 資源 ”    と、

    

「仕事を忘れる時間」が必要不可欠なのだ。

 

食べて寝るだけで

自然に消えていくものではない。

 

例えば、お盆休み明けは

やる気が出なかったり、

 

夏季休暇などで休むと「余計疲れが出る」

という経験は誰でもあるはずだ。

 

これは疲れが蓄積し機能障害に陥っていた

“疲れのセンサー”が回復したことを意味している。

 

つまり、「休んで疲れが出た」のではなく

 

「疲れを自覚できるようになった」だけ。

 

溜まった疲れを取る作業は、

そこからスタートするのである。

 

◇ 河合氏のブログによると

     疲れのセンサーが回復するには1週間。

 

     心身の疲れを取るのにさらなる1週間。

 

     最低でも2週間 「休息」

 

       必要ということになる。

 

疲労はいわば   “ 借金 ”    と同じだ。

 

放っておけば、どんどんと利子がついて

にっちもさっちもいかなくなる。

 

「眠れない」「朝、起きられない」

「休日にゴロゴロしても休んだ気がしない」

 

といった症状を長引かせると、

うつなどにつながるリスクが高まる。

 

◇ 2012年に厚生労働省疲労研究班が

    実施した調査では、

 

4割の人が半年以上続く

慢性的な疲労を感じており、

 

そのうち2.1%は日常生活に

支障をきたすような蓄積疲労に陥っていた。

 

欧州では1990年代初頭、

すでに

 

「疲れはきちんととらないと蓄積され、

                病める労働者を量産する」

 

との知見が広まっていた。

 

そこで1年に1回はまとめて

休暇を取ることの重要性が指摘され、

ILOもそれに追従したのだ。

 

しかしそういった事実は日本には

伝わってこなかった。

 

いや、伝わってはきたが

隠蔽されたのかもしれない。

 

◇ 2週間以上連続して休めない我々は

   想像以上に疲れている。

 

知らないうちに疲れの借金に

まみれているのである。

 

今年はもう無理かもしれないが、

来年は長期休暇に挑戦してみてはいかがだろうか。

 

これも働き方改革のひとつであり、

 

もし実現できれば、

ストレスで心を病む人も激減するに違いない。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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