恐るべき同質集団「経団連」  vol.326

 

◇ 一時期より薄れたとはいえ、

     未だ大きなな影響力を持つ経団連。

 

もちろんマスコミも経団連の

動きに注目しているはずだが、

 

先日、日経新聞に同団体を否定的に

扱う記事が掲載され話題となった。

 

経団連の存在意義も徐々に

薄れるだろうとしながらも、

 

新陳代謝に時間がかかるのも

日本の特徴であり、

 

それが「失われた20年」をいつまでも

長引かせていると批判している。

 

◇ その記事のタイトルは

 

「経団連、この恐るべき同質集団」

 

経団連の副会長18人の経歴を調べると、

 

・ 全員男性

・全員日本人

・一番若くて62歳

・全員サラリーマン経営者(起業経験なし)

・だれ一人転職経験がない

 

という異様なまでに

 

「同質な集団」

 

であるという指摘だ。

 

男女同権で、企業の新陳代謝も激しく、

転職の多い米国の常識で言えば、

「全く理解できない」状況だが、

 

日本人にとって見れば、

 

「やっぱりね」

 

「昭和の時代のおっさん集団か」と、

 

それほどの驚きではない。

 

重要なのは、これまで経団連と良い関係を

維持してきたメディアが

「この恐るべき」という

形容詞まで使って、これを批判してきた点だ。

 

ようやく、日本でも「潮目が変わって来た」

兆候なのかと、ついついトンビは期待してしまう。

 

◇ ちなみに、注目すべきは

   日本の「失われた20年」

 今なお継続中であり、

 

  今や「失われた30年」

なろうとしている点である。

 

その一番の理由は、

日本社会全体のあらゆるところに、

 

戦後の高度成長期に作られた

システムが張り巡らせており、

 

90年代から始まったパソコン、

インターネット、スマホなどの

「IT革命」に乗り遅れてしまっているからだと、

トンビは見ている。

 

◇ 終身雇用制、年功序列、新卒一括採用、

   稟議書などは「時代遅れなシステム」として

   会社によっては改革が進んでいるところもある。

 

しかし、役員用のお抱え運転手、

ゴルフ会員権、退職後の天下り先、

社長の部下で構成される取締役会となると、

 

それは

 

「長年一つの会社で一生懸命

        働いてきた人たちの大事な既得権益」

 

であり、

 

そこに自ら手をつけることが出来る人たちは、

ほとんどいない。

 

経団連の副会長ともなれば、

誰もが会社の重役であり、

 

まさにその手のシステムのメリットを

享受している人たちなのだ。

 

彼らの考え方が、保守的で、

閉鎖的なのも当然だ。

 

日本にも、ソフトバンク、

ファーストリテイリング(ユニクロ)、楽天

のような時代の流れに乗るのが上手で、

創業者が元気な会社があるので、

 

彼らが経団連をコントロールするようになれば、

大きく変わることは間違いないが、

 

「経団連の閉鎖性」がそれを許さないのだ。

 

◇楽天の三木谷氏が経団連を辞めたのは2011年。

 

   当時のインタビューで

 

「正直言って、経団連は日本企業の

   護送船団方式を擁護し、

 これが世の中の共通認識だと

 カムフラージュするために

  作られた団体なんですね、そもそもが」

 

と強烈に批判している。

 

◇ 長い目では経団連の存在意義も

    徐々に薄れるだろうが、

 

   その手の新陳代謝に時間が

    かかるのも日本社会の特徴だ。

 

いったん作ったシステムは

内部からは変えられない。

 

そして、その新陳代謝の遅れが、

喪失感をいつまでも長引かせている

原因になってしまっている。

 

このまま時代遅れの体質を変えられずに

 「失われた40年」

ならなければいいのだが。

 

 

今日一日の人生を大切に!

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