「破天荒」という言葉の由来 vol.186

 

◇ あたり一面どこまでもひろがる

 ゴビ砂漠の中に、

 

まるで雪が積もっているかのように、

真っ白に見える部分がある。

 

土壌に含まれている塩分が

地表にまで浮かびあがっている。

 

 これを「塩害」と呼ぶ。

 

日本のように緑豊かな国に育った人から見れば、

それは「不毛の大地」以外の

なにものでもない。

 

中国は広大な国土を擁するが、

農業にも牧畜にも適さない荒れ地が

今なお、かなりの割合を占めている。

 

そんな草木一本すら生えない土地のことを、

かつては「天荒」と呼んだ。

 

そしてその言葉は、

 

”優れた人材がまったく出現しない土地”

 

のたとえとしても使われた。

 

◇ 敦煌を含む今の甘粛省一帯は、

 唐の時代まで優秀な人物が

 まったく現れないので

 

「天荒」 の地とされていた。

 

なぜなら、そこからは中央政府の要職にあたる

高級官僚を採用するための試験「科挙」で、

 

最終合格者である「進士」はおろか、

その第一段階の試験にすら合格する

ものがいなかったからである。

 

   ところが…

 

  ところがである… 

 

   ある年、

 

その土地出身の 劉蛻(りゅうぜい)

という男が 地方での試験に通り、

 

さらに中央で行われる本試験にも

優秀な成績で合格した。

 

   ほオ〜〜〜

 

人々は彼の快挙を、

かの「天荒」の地からも、

ついにそれを破る男が現れたのかと、

喜びと驚きをこめて、

 

 「破天荒」

 

という言葉で呼んだ。

 

「破天荒」とは、慢性的に低劣

 あるいは粗悪だった状態をうちやぶり、

 画期的なまでに高尚 あるいは優秀な

 状態を出現させるという成語である。

 

それが今の日本語では、

単に「前代未聞」とか「驚くべき」と

意味に使われている。

 

語源から考えれば正しい使い方では

ないことになる。

 

なるほど、新年から大変勉強になった。

 

今日一日の人生を大切に!

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