◇ いま世界でも日本でも、
新型コロナウイルスの感染者のうち
8割が軽症で済み、
カゼ程度の症状しか
経験しないと言われている。
そうした人々は50歳以下の
比較的に若い人だとされ、
時間とともに症状も消え、
完治すると見られている。
◇ しかし、リーキシン・ジー博士と
ロケッシュ・シャーマ博士が、
「呼吸器と救急救命の
アメリカン・ジャーナル」
という医学雑誌に発表した論文によると、
1月28日から2月9日までの期間に
軽度の症状で「北京総合病院」に入院し、
その後完治して退院した16人の感染者を
退院後数日経ってから再検査したところ、
そのうちの半数は依然として
新型コロナウイルス(Covid-19)
に感染していた。
16人の軽症の感染者の
平均年齢は、35,5歳だった。
そして、軽度の咳き、熱、咽頭の痛み、
呼吸困難などの症状か消えてからも、
1日から8日間、
新型コロナウイルスは
体内に残留していた。
この結果から分かることは、
カゼ程度の軽度な症状で自宅で療養し、
その後症状が消滅して完治した人々でも、
ウイルスはまだ体内に残っており、
動きまわって濃厚接触すると、
ウイルスを撒き散らす結果になるということ。
◇ 論文の執筆者は、症状が消えた後も
少なくとも 2週間 は
自己隔離すべきだとしている。
日本でも新型コロナウイルスに
感染しながらも、
症状が軽度なので、
自宅で療養している人も多い。
現在の感染速度であれば、
こうした人が今後もどんどん増加する見通しだ。
そして、多くの場合、
重症化することなく症状は消えてしまう。
しかし、まだウイルスが
体内に残っている可能性があり、
症状の消滅後すぐに活動すると、
新たな感染源になってしまう可能性がある。
◇ 次に、新型コロナウイルス感染で
重症化の兆候となる可能性のある
激しい胃腸障害の症状について記す。
新型コロナウイルス感染で
重症化した場合の一般的な症状は、
重度の肺炎である。
喉から肺の奥まで炎症が発生し、
呼吸不全から死に至るケースだ。
これは新型コロナウイルスが
細胞に侵入するときに利用される
「ACE2」というレセプターが
肺胞細胞に集中的に発現しており、
そこでウイルスが増殖することによる。
いまは心臓や腎臓に発現している
「ACE2」レセプターから体内に侵入して、
心疾患や腎臓疾患をいきなり引き起こす
ケースも確認されている。
それが、新型コロナウイルスの
新種であるとする議論もある。
◇ 今回、「南京医科大学」の研究チームが
3つの病院で入院している
1,314人の感染者を調査したところ、
86人の重症患者の86%に
重度の胃腸障害があった。
ストレスやショック、そして炎症など
さまざまな原因で胃腸障害は発生するため、
新型コロナウイルスの感染とは
一概に結び付けることはできない。
しかし、胃腸にも「ACE2」レセプターが
発現していることから、
そこから胃腸に入った新型コロナウイルスが
障害を引き起こした可能性もある。
また、激しい胃腸障害を持つ患者では
敗血症を発症し、
これが引き金となり
死亡するケースも見られた。
このように見ると、
激しい胃腸障害が、
新型コロナウイルスの感染で、
患者が重症化するかどうかの
予兆にもなり得る可能性がある。
この論文の執筆者は、
激しい胃腸障害の症状を
見逃さないようにすべきだとしている。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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