◇ 第二次世界大戦中、
ドイツ海軍と戦っていた連合国は
決定的な劣勢にあった。
ドイツの潜水艦は、
連合国の船団を見つけると、
暗号信号を周辺の他のドイツ潜水艦に送り、
その位置を知らせる。
こうして集まってきた潜水艦が
「ウルフパック」(オオカミの群れ)
をなして集団攻撃を加え、
敵側に大打撃を与えるのだ。
◇ この作戦は驚異的な成功を収め、
1940年から41年にかけて、
ドイツ海軍は一ヶ月に50隻以上を沈め、
計5万人以上の死傷者を出したのだった。
連合国はこうした攻撃になす術もなかった。
というのも、
史上最強の暗号機械「エニグマ」によって
作成されるドイツ軍の暗号システムを
解読できなかったからだ。
◇ そこでイギリス諜報部は、
ブレッチレー・パークと呼ばれる
巨大なヴィクトリア時代の邸宅に、
史上最強の暗号解読チームを創設した。
暗号解読には言語学の専門家が
あたるのが伝統的なやり方だったが、
ここには、
数学者 や 科学者、古典学者、
チェス名人、クロスワード・マニア
といったさまざまな種類の人間が集結し、
極秘裏に解読作業が進められた。
この多様な顔ぶれからなるチームは
一致協力してエニグマの解読に成功し、
その結果、海戦の形勢は
連合国有利に逆転したのである。
◇ ブレッチレー・パークに
集結したような、
多様な人間で
構成されるチームのほうが、
ユニークなアイデアを生み出す確率が
高いことをに疑いの余地はない。
ここで多様というのは
単に専門分野だけではなく、
文化、民族、地理的背景、
年齢、性別 などの点での
多様性を含んでいる。
チームのメンバーがこのように
多様であれば、
異なる視点やアプローチ、
考え方などが出てきやすいし、
予測不能な概念の結びつきが生まれる
可能性が高まることも証明ずみだ。
◇ アメリカが他国の追従を許さない
イノベーション王国であるのは、
その人口構成の多様さのおかげだと
多くの人が指摘している。
最高のアイデアは、
そういうモザイクのような
多様な人びとがチームを作り、
ひとつのプロジェクトに取り組む
なかから生まれてくる。
そのなかの人間が、一人では絶対に
思いつかなかったような答えがでてくる。
もしあなたが、
今までにないアイデアが必要ならば、
人種や、文化にこだわらず、
多様な多彩な人間を集めることをお勧めする。
今日一日の人生を大切に!
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