韓国の通貨は「坑内カナリヤ」 ②  vol.531

 

◇ 対ドルのウォン相場が、

     一気に10ウォン以上も下落し、

     1180ウォンまで迫った。
    (※2019年6月7日時点)

 

1200ウォンは「マジノ線」

呼ばれている。

 

マジノ線 :

フランス・ドイツ国境を中心に
構築されたフランスの対ドイツ要塞線

 

理由は、このラインを割って下げ続けると、

ウォン投機売りを誘い込み

一気に危機ラインの1400ウォンへ

持って行かれるリスクを抱えているからだ。

 

そのくらい重要なラインだということになる。

 

◇ 過去2回、韓国は通貨危機に陥っており、

    塗炭の苦しみを味わった。

 

ウォン相場と関係の深い輸出は、

昨年12月から前年同月比

マイナスを続けている。

 

5月に入ってもこのマイナス基調が続き、

これで、6ヶ月連続で前年比マイナスとなる。

 

マイナス要因は、

先に指摘しました対中国輸出と

半導体輸出が振るわなかったためだ。

 

この2要因は、今後どうなるのか?

 

対中輸出と半導体輸出は回復するのか?

 

◇ 対中国と半導体は、

    米中貿易戦争と密接に絡んでいる。

 

中国が米国へ輸出する多くの工業製品に

韓国製半導体が組み込まれている。

 

こうなると、米中貿易戦争が

解決しないかぎり、

韓国の輸出に展望が開けない。

 

米中貿易戦争が始まった時点で、

韓国は台湾などと並んで強い影響を受ける。

 

それが、いよいよ現実化することになる。

 

韓国政府は、これへの備えを

全くしていない。

 

内需を補強する手段を取っていない。

 

逆に、最低賃金の大幅引き上げで

失業者を増やす最悪事態を招いている。

 

◇ 4月の失業統計が発表になった。

 

4月の失業率は4.4%で、

前年同月比0.3ポイントの悪化。

 

若年層(15~29歳)の失業率は

0.8ポイント悪化の11.5%。

 

いずれも4月としては、

アジア通貨危機(1997年)の

影響が残っていた2000年以来の

高い失業率だ。

 

◇ 韓国の新年度は3月に始まる。

    日本の4月よりも1ヶ月早い。

 

4月全体の失業率が4.4%、

若年層は11.5%と聞くと、

日本と比べて余りにも高い。

 

19年ぶりに高い失業者を出した

最大の要因は、

前述の大幅な最賃引き上げによるものだ。

 

韓国政府は、この最賃の大幅引き上げが

いずれ成果を上げると強調している。

 

その時期はいつなのか。

 

その時期について答えようとしない。

 

これでは、経済の「ヤブ医者」と

批判されるのは当然だ。

 

患者(国民)の病状(失業率)が

悪化しながら、「その内に直ります」と

言っているのと同じだ。

                       つづく

 

 

今日一日の人生を大切に!

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