日本人の価値観は難しい試験に合格した人にあり    vol.298

 

◇ 日本人が尊敬するのは容易に突破できぬ

     難しい試験に合格した人である。

 

 戦前の我が国には三大難関があった。

 高文(こうぶん)つまり高等文官試験と、

 海軍兵学校および陸軍師範学校の入学試験である。

 

合格すれば出自を問わず

高級官僚(行政・司法)に登用される

画期的だが高難度の制度で、

 

及第者は文官(行政官)、外交官、領事官、

判事、検事に登用される資格が与えられ、

 

その多数を占めた東京帝国大学出身者は

銀時計が配られて「銀時計組」と呼ばれた。

 

及第した著名人は次の通り。

▪浜口雄幸 – 内閣総理大臣

▪幣原喜重郎 – 内閣総理大臣

▪池田勇人 – 内閣総理大臣

▪佐藤栄作 – 内閣総理大臣

▪福田赳夫 – 政科首席合格、内閣総理大臣

▪宮澤喜一 – 内閣総理大臣

▪芹沢光治良 – 行政科合格、小説家

▪柳田國男 – 1900年行政科合格、文化人類学者

 

◇ これらの合格者に対して

    貧人は無条件に平伏した。

 

    そして彼らに対する批判を慎んだ。

 

明治大正昭和の新聞は政治家と実業家に対する

罵言雑言に満ちているが、

 

高級官僚と陸海軍の将官には批判を加えない。

 

彼らが政治の場に転身して

印綬(いんじゅ)を帯びた場合は叩くが、

       印綬: 任官すること

それは政治攻撃の射程に入ったからである。

 

そしてすべての帝国陸軍が消え去った今、

現代日本の難関は

国家公務員採用1種試験だけとなった。

 

その合格者に国民は批判の眼を

なかなか向けない、

いや向けさせないようにする。

 

これが日本の文化である。

 

<今日の名言>

 

非常識な人間に幸あれ。

反逆者、問題児に幸あれ。

人とは違う考え方をする人間に幸あれ。

世間はそういう人間のことを

頭がおかしいと思うかもしれないが、

当社は天才だと考える。

世の中を変えられると考えるほど常識はずれな人間こそ、

本当に世の中を変えることができるからだ。  

               ーーApple社

 

今日一日の人生を大切に!

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