十人に三人とも、
不良の臣交りつかうまつれば、
七人の忠良は有(あり)てもなきが如し
細井平洲
◇ すべての職場に
言えることではないが、
1 0人中 3人ぐらい
よくない人が職場にいると、
残りの7人が、
いくらまともでも、
無力化されてしまう。
職場にはそんな傾向がある。
◇ 人間は、弱いもの三割が
自分勝手を言い出すと、
そちらのほうが勢いを持ち、
その結果、
安易に流されて正論が破れる。
◇ 細井平洲は江戸時代の儒者。
その生活は極貧を極め、
両国橋のたもとに
毎日辻講釈に出ていた。
編み笠をかぶり、
扇子一本もって辻に立ち、
通行人に道徳を説いて
銭をもらって生活を立てていた。
平洲が語れば人だかりができ、
やがてその話に感じて
すすり泣く人が絶えなかったという。
◇ そのありさまを
米沢藩の儒者が見かけ、
藩主上杉鷹山(ようざん)の
師に抜擢された。
平洲は鷹山に必死で説いた。
我が身が飢え凍える苦しみより、
まず子供らが飢え凍えることを
嘆き悲しむのが人の天性。
民百姓にとって
飢えから救ってくれる親は
殿様以外にいない。
どうか臣民と艱難(かんなん)を
わかちあって、
藩の無駄遣いを省き、
飢えた民を救ってください。
鷹山も純真な心を持っていた。
平洲に励まされて
米沢藩の大改革を決意。
しかし既得権益にしがみつく
人々の抵抗が予想された。
◇ 平洲は改革を
成功させるには、
藩主のまわりを志のある人間で
固めなければならないと説いた。
十人の臣に一人不良の臣
立ちまじれば、
一人の毒が全体にまわる。
「組織の運命は
人選びにかかっている」
といえる。
いつの時代も人事が要。
特に採用段階で
いい人材であるかどうかを
見極めることが肝要である。
<今日の名言>
20歳だろうが80歳だろうが、
とにかく学ぶことをやめてしまった者は
老人である。
学び続ける者は、みな若い。
人生において一番大切なことは、
頭を若く保つことだ。
ヘンリー・フォード
*どのような立場であれ、知的好奇心を持ち、
学び続けることが若さを保つ秘訣です。
今日一日の人生を大切に!
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